近年、世界各国で電気自動車(EV)が普及しています。年々、走行距離も伸びており、ガソリン車よりもランニングコストが安いという試算も出ています。実際に、ガソリン車とどの程度の差があるのでしょうか。電気自動車の充電料金(家で充電する場合、外で充電する場合)、ガソリン車(比べたときにどちらの方がお得か、電気自動車の充電料金を抑える方法などについてご紹介します。
電気自動車の充電方法
電気自動車の充電方法は、大きく分けて「自宅充電」と「外充電」に分けられます。充電方法によって料金の目安も異なってきます。ここではそれぞれの充電方法についてご紹介します。
自宅充電
自宅に設置した普通充電器またはEV充電用コンセントから充電する方法です。自宅充電は、「普通充電」という充電方法が取られていることが多いです。一般的に、バッテリー残量が少ないタイミングで充電すると、満充電まで数時間から数十時間必要とされています。必要なコストは電気代のみで、バッテリー容量にもよりますが、1回あたり数百円から2,000円程度で満充電になるケースが多いです。
ただし、自宅充電の場合は、自宅の駐車場などに充電設備を設置しなくてはいけません。200Vの充電用コンセントを設置する方法であれば、初期費用は10万円程度が目安とされています。自宅充電は、公共充電スポットまで行く必要がないため、外充電と比較していつでも充電できるというメリットがあります。
外充電
スーパー、サービスエリア、道の駅、ディーラーなどに設置された充電スポットで充電する方法です。公共の充電スポットでは、「急速充電」という充電方法が採用されていることが多いです。
無料で使える場所もあれば、数千円程度の月会費が必要な場合もあります。月額会員になり、「充電カード」を作れば、有料の充電スタンドをスムーズに使用できます。さらに、月会費とは別に都度充電料金を支払います。月額会員でない場合も、充電スポットを利用することは可能ですが、充電料金が割高になるとも多いため、頻繁に利用する場所であれば月額会員になった方がお得でしょう。
充電料金の目安
充電料金は自宅充電と外充電で異なるため、ここでは目安をご紹介します。
自宅充電
自宅で普通充電する場合、契約している電力会社のプランによっても異なりますが、一般的には1kWhあたり20〜30円が目安です。たとえば、日産リーフ(バッテリー容量40 kWhの車種)の場合、1kWhあたり20〜30円とすると満充電には800~1,200円必要です。
外充電
公共の充電スポットで急速する場合は、以下の2つの方法があります。
・月額会員になる
・月額会員にならずビジター会員で利用する
ビジター会員は登録する必要がありませんが、充電カードを利用しない充電は煩雑なため、旅行などの際に限られるでしょう。そのため、よく使うスポットであれば、月額会員の方がお得といえます。月額会員費用は数百円から1万円程度です。さらに、都度利用料金がかかります。充電カードの種類はさまざまですが、ここでは「e-Mobility Power カード」を例に月額料金の目安をご紹介します。
e-Mobility Power カードの月額会員料金とビジター料金表(税込・2023年9月時点)
プラン名 | 急速・普通併用プラン | 普通充電プラン | ビジター料金 |
月額料金 | 4,180円 | 1,540円 | ー |
都度利用料金 | 【急速】27.5円/分 | 1~5分まで 【最大出力 90kW以上】385円 【最大出力 50kW以上】275円 | |
【普通】3.85円/分 | 【普通】3.85円/分 | 以後1分あたり 【最大出力 90kW以上】77円/分 【最大出力 50kW以上】55円/分 |
※急速充電器の充電時間は1回30分まで
外充電の場合、普通充電のみか、急速・普通充電併用かで月額料金が大きく異なります。通常、外で充電する場合、急速充電を使用することが多いと仮定すると、月額料金4,180円+都度利用料金となります。週に1回以上急速充電を利用するのであれば、会員になった方がお得といえるでしょう。
電気自動車とガソリン車の比較
では、電気自動車とガソリン車を比較した場合、どの程度の差があるのでしょうか。ここでは、電気代(普通充電)とガソリン代の比較を行いました。料金は、資源エネルギー庁が発表している「給油所小売価格調査」と「全国家庭電気製品 公正取引協議会」を参考にしています。
電気代(2023年8月現在)
31円/kWh
電気自動車
1kWhで6㎞走行
レギュラーガソリン(2023年8月現在)
181円/L
ガソリン車
1Lのガソリンで15㎞走行
上記の条件で1万㎞走行した場合は以下の通りです。
- ガソリン車
1万㎞÷15㎞/L=666L
666L×181円/L=12万546円
- 電気自動車
1万㎞÷6㎞/kWh=1666kWh
1666kWh×31円/kWh=5万1646円
比較すると、電気自動車のコストの方が半分以下であることが分かりました。ただしこれは自宅充電のみの結果なので、月額会員なり充電カードを契約すれば、費用はさらにかかります。
電気自動車の充電料金を安く抑える方法
自宅で充電する場合、電気自動車の充電料金を安く抑えるためには、電力会社やプランを見直す方法があります。たとえば、プランごとに「夜間の料金が安い」「電力取引価格に連動しているので安い時間帯がある」などの特徴があるため、ライフスタイルによっては電気代を安く抑えられる可能性があるでしょう。
さらに電気代を節約したいなら「Styleプラス」がおすすめ
電気代をさらに節約したいと考えているなら、「Styleプラス」がおすすめです。Styleプラスは、「電気料金(従量料金単価=電源調達料金+固定従量料金)・再エネ賦課金」のみで構成された、シンプルな料金体系が特徴です。30分ごとに変動する電力取引価格に連動した料金体系のため、市場価格が安い時間帯に電気を使用することで、電気料金がお得になりやすいメリットがあります。また、蓄電池を併用し、電力取引価格が安い時間帯に溜めた電気を使用すれば、さらにお得になるでしょう。
※1 市場からの電源調達料金の他、託送料金およびサービス料金を含む「固定従量料金」がかかります。
まとめ
電気自動車とガソリン車を比較すると、電気自動車の方が走行にかかるコストは低いことが分かりました。自宅で充電する場合、電気プランを見直すことで、さらにコストを抑えられる可能性があります。ぜひ見直してみてはいかがでしょうか。