カーボンニュートラルという言葉は聞いたことがあっても、カーボンオフセットという言葉は聞いたことがない人も多いのではないでしょうか。カーボンオフセットは、一体どんな取り組みを指すのでしょうか。
本記事では、カーボンオフセットの概要や仕組み、国の取り組みなどをご紹介します。
カーボンオフセットとは
カーボンオフセットとは、日常生活や企業の活動などにおいて、どうしても発生してしまう温室効果ガス(カーボン)を、他の削減分で埋め合わせ(オフセット)しようという取り組みを指します。欧州、アメリカ、オーストラリアなどで積極的に取り組まれており、日本でも民間での取り組みが行われています。
カーボンオフセットを行いながら削減努力をすることで、これまで温室効果ガスの排出が増加傾向にあった企業や、家庭部門などへの取り組み推進が期待できるとされています。
カーボンオフセットの効果
他の場所で削減・吸収された温室効果ガスは、一定のルールに伴い定量化すれば「クレジット」に変えられます。このクレジットは、市場での取引が可能です。
カーボンオフセットをする際には、クレジットを購入し無効化することで埋め合わせを行います。クレジットを購入すれば、再エネの利活用や高効率省エネ機器の導入などの活動に、大きな資金を投入することができ、さらなる温暖化対策の実現が可能になるとされています。
カーボンオフセットのクレジットを購入することで、誰でも実施できる取り組みです。
クレジットとは
クレジットとは、再生可能エネルギーなどの導入や高効率エネルギー機器の導入、または植林や間伐などによる森林管理によって実現した温室効果ガスの削減・吸収量を、定められたルールで定量化したものです。
定量化することで、取引可能な状態となっており、1t-CO2を1単位として管理されています。
カーボンオフセットを行うためには、クレジットを購入し、クレジットを無効化しなくてはいけません。無効化は、一度カーボンオフセットされたクレジットが、再び使用されないようにする手続きです。
カーボンオフセットの主な取り組み
カーボンオフセットを実現するための取り組みには以下が挙げられます。
- オフセット製品やサービス
製品を製造・販売したり、サービスを提供したりする人が、製品やサービスのライフサイクルを通じて、排出する温室効果ガスの排出量を埋め合わせようとする取り組みです。 - 会議・イベントのオフセット
コンサート、国際会議、スポーツなどのイベントの主催者が、開催に伴って排出される温室効果ガスの排出量を埋め合わせようとする取り組みのことを指します。 - 事業活動のオフセット
組織の事業活動などに伴って排出される温室効果ガス排出量を埋め合わせようとする取り組みのことです。 - クレジット付製品・サービス
製品を製造・販売する人や、サービスを提供する人、イベントの主催者などが、製品やサービスにクレジットを付ける方法です。
製品やサービスを購入するほか、イベントのチケットを購入することで、個人でも手軽にカーボンオフセットの取り組みに参加することができます。 - 寄付型オフセット
製品を製造・販売する者と、サービスを提供する人やイベントの主催者などが、消費者に対して、クレジットの活用による地球温暖化防止活動への貢献や、資金提供などを目的として参加者を募ることです。参加者は、クレジットを購入・無効化することで、地球温暖化防止活動へ貢献することができます。
再生可能エネルギーを選ぼう
個人ができる簡単な取り組みは、再生可能エネルギー由来の電気を選ぶことです。
2016年より電力会社や料金メニューを自由に選べる「電力自由化」が始まりました。自由化後は、多種多様な業種が参入したため、価格競争が起き、さまざまな料金プランが誕生しました。そのため、消費者は自由に料金プランを選べるようになったのです。
例えば、再生可能エネルギーを利用して発電された電気などもあります。再生可能エネルギーは、CO2を排出しない、エコなエネルギーとして注目されています。個人でできる、カーボンニュートラルへの取り組みを探している方は、まずは再生可能エネルギーを扱う新電力会社へと切り替えを考えてみてはいかがでしょうか。
カーボンオフセットの知識を付けよう
カーボンオフセットとは、努力してもなかなか削減できないCO2の排出を他の部分で埋め合わせるという考え方です。個人では、クレジット付の付属品やサービス、寄付型オフセットを購入することで参加できます。さらに簡単な取り組みとしておすすめなのが、再生可能エネルギーを使った電気プランを選ぶことです。新電力会社の電気プランであれば、CO2削減に貢献することにもつながるかもしれません。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。