「貯蓄は必要だと思っていても、どのくらいあればいいのか分からない」「みんなどのくらい貯蓄しているのだろう」と気になっている方も多いのではないでしょうか。20代だと社会人になったばかりの人も多く、なかなか貯金まで気が回らないという方も多いと思います。そこで本記事では、20代の平均貯蓄や、毎月の貯蓄額の目安、20代で効率的に貯蓄する方法や20代で必要な費用などをご紹介します。
20代の平均貯蓄額
では20代は平均してどのくらいの貯蓄を持っているのでしょうか。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査 単身世帯調査」(令和2年)によると、預貯金額は以下のようになっています。
【単身世帯】
・預貯金の平均額 77万円
・保有金融資産の平均額 113万円
・中央値 8万円
金融資産とは、預貯金のほかに株式や投資信託、生命保険などの金融商品を合わせたものです。ただし、中央値はこれよりも低く、8万円とされています。中央値とは、データや数値の集合体の中央にあたります。そのため、平均値よりも実態に近いと考えられています。
さらに、20代で預貯金のない「金融資産非保有率」は約43.2%となっており、貯蓄ができている人とできていない人の差が激しいといえるでしょう。
毎月の貯金額の目安
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査 単身世帯調査」(令和2年)によれば、20代の単身世帯は、手取りから約18%を貯金に回しています。そのため、まずは手取り収入の1~2割を毎月貯金できれば良いと言われています。また、20代は結婚や子育て、住宅の購入などを考えていく世代でもあるので、今後のライフイベントにかかる費用を知っておくことも、貯金額を考える上では大切です。
20代が備えるべき費用の目安
貯金を効率的に行う計画を立てる中で、今後考えられるライフイベントに備えておくことも大切です。20代の場合、大きな出費を伴うライフイベントには「結婚」「出産」などが挙げられます。
結婚
「ゼクシィ 結婚トレンド調査2021調べ」によると、結納・婚約・結婚式・新婚旅行まですべて行った場合に平均費用は約393.4万円(首都圏)としています。このように約400万円近い費用が発生しますが、おおよそ半分はご祝儀でまかなえるとも言われており、中には披露宴をせずに、新婚旅行をするなどして費用を節約するカップルもいます。結婚にかかる費用は、人によって大きく異なりますので、あくまで目安として考えておくといいでしょう。
出産
公益社団法人 国民健康保険中央会「出産費用」(平成28年度)によると、入院料、分娩料、検査、処置などをすべて含めた出産費用は平均51万円としています。
出産には保険が適応されません。健康保険から出産育児一時金として42万円ほど支給されますが、出産後に受け取るものなので、出産前に蓄えた貯金が重要になります。
住宅購入費用
子供の人数などを加味し、家族の人数に応じたマイホームを購入する人もいます。
住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2020年度 )」の調査によると、住宅購入に必要な資金は以下とされています。
・マンション 4,545万円
・建売住宅 3,495万円
マイホーム費用は住んでいる地域や家族構成によって変動するため、平均費用など一概には言えませんが、定年退職のタイミングでローンを払い終えるパターンが多く、ローンの組み方が重要になります。
20代で効率的に貯蓄する方法
効率的に貯蓄するにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、20代で効率的に貯蓄する方法をご紹介します。
先取り貯蓄
おすすめなのが先取り貯蓄です。これはあらかじめ、収入から貯金分の金額を引き、残ったお金で生活しようという考え方です。つまり「収入-貯蓄=支出」となります。たとえば、手取り20万円で2割を貯蓄しようと思った場合、先に4万円を貯蓄口座に入れ、残り16万円で生活することになります。この方法であれば、つい使い過ぎてしまって貯蓄ができないということにはならないでしょう。
貯蓄用の口座を作る
先取り貯蓄は貯蓄用の専用の口座を作って移しておくのがおすすめです。給料が振り込まれるメインの銀行口座のほかに、貯蓄用の銀行口座を作っておけば、貯蓄の管理がしやすくなるでしょう。また貯蓄額が目に見えて増えることで、モチベーションアップも期待できます。
固定費を見直す
支出を減らす上で見直したいのが固定費です。スマホの通信費用、保険、サブスクなどはすぐに見直すことができ、長い目で見るとかなり効果が大きいとされる節約方法です。
電力会社の切り替えも検討してみよう
さらに固定費の見直しとして新電力会社への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。新電力会社に切り替えるだけで、今よりも電気代を安くできる可能性があります。
2016年4月1日以降、電力の自由化が始まり電力会社を自由に選べるようになりました。電力自由化によって、ライフスタイルに合わせた電力会社や料金プランを選べるようになったのが特徴です。今よりもお得になる電気料金プランを選ぶことで、貯蓄につながる可能性があります。見積りや切り替えは、インターネットからでも簡単に行えますので、検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
20代の平均貯蓄額を紹介しました。20代はまだ社会人になったばかりの人もおり、なかなか貯蓄まで手が回らない人も多いと思います。しかし、将来のための資産形成をするには、20代のうちからしっかり貯蓄をしておくことが大切です。無理をしては、心身ともに消耗してしまいますので、まずは無理のないところから始めてみてはいかがでしょうか。