地球温暖化は、既に世界各地で、自然環境や人の暮らしにさまざまな影響や被害が現れ始めており、その深刻さから近年は「気候危機」という言葉も使われるようになりました。
こうした問題は、温暖化への対策を十分に行なわない場合、さらに重大化し、取り返しのつかない被害をもたらす危険性が指摘されています。
地球の気温は、IPCC第3次評価報告書によると、過去100年間で0.6度上がったとされており、このまま対策をとらずに過ごしていると、2100年には平均気温が2度ほど上昇すると予測されているそうです。
今回は、地球温暖化について詳しく解説します。
地球温暖化の原因は温室効果ガス
地球温暖化の原因は、温室効果ガスと考えられています。
温室効果ガスとは、太陽から降り注ぐ光で暖められた地球の地面から放出される熱を吸収する役割を果たしています。
この温室効果ガスが、経済活動などの影響で近年大量に排出され、その結果大気中に急増しているのです。
温室効果ガスの成分
温室効果ガスには、二酸化炭素や一酸化二窒素、メタン、フロン類などの種類があります。
二酸化炭素
炭酸ガスとも呼ばれる二酸化炭素は、炭酸飲料やビール、ドライアイスに使われています。
石油や石炭などの化石燃料やプラスチック、木などを燃やすことで、二酸化炭素が発生します。
メタン
天然ガスの主成分であるメタンは、都市ガスで使用されたり、メタノールや水素の原料にもなっています。
メタンは、天然ガスの採掘や家畜の糞尿、水田などから発生し、二酸化炭素と比べると21倍の温室効果があります。
一酸化二窒素
製品製造や窒素肥料使用といった工業活動で発生する一酸化二窒素は、二酸化炭素の310倍もの温室効果があります。
フロンガス
自然界には存在しないフロンガスは、エアコンや冷蔵庫といった冷媒用ガスとして開発されました。
フロンガスはオゾン層を破壊することが判明したため、1997年以降は生産が禁止されています。
現在では代替物質として「パーフルオロカーボン」や「ハイドロフルオロカーボン」「六フッ化硫黄」「三フッ化窒素」などの代替フロンが現在では使用されるようになりました。
代替フロンはオゾン層を破壊することはありませんが、二酸化炭素の数百倍以上の温室効果ガスがあることが分かっています。
地球温暖化が進むと地球はどうなる?
温室効果ガスが増え続け、地球温暖化が止まらなくなったら、地球はどうなってしまうのでしょうか。
環境省の「気候変動影響評価報告書」によると、温暖化進行によって次のような重大な影響が懸念されています。
- 短時間集中降雨や、海面水位の上昇による都市部氾濫・浸水
- 大雨発生頻度上昇、広域化の影響による土砂災害発生頻度増加、規模増大
- 屋外での労働が可能な時間の短縮や熱中症リスク増加
- 気候変動の影響による短時間での強雨や渇水増加、強力な台風増加によるインフラ・ライフラインへの影響
参考:環境省「気候変動影響評価報告書」
温室効果ガスは悪者ではない
地球温暖化の原因とされるため、温室効果ガスは悪者のような印象があるかもしれません。
しかし、実際には温室効果ガスがなければ地球の平均気温はマイナスの世界になってしまいます。
温室効果によって、植物の生育が可能になり、さまざまな生き物が生存可能な豊かな環境が維持されています。
温室効果ガス排出は、抑えることが必要ですが、なくなっても困るものなのです。
地球を守るためには、バランスを保つことが必要と考えましょう。
地球温暖化対策として私たちができること
地球温暖化を食い止めるためには、私たちが意識を少しずつでも変えていくことが必要です。
難しく考える必要は、ありません。
一般家庭でも、二酸化炭素排出を抑えるためにできることがたくさんあります。
電化製品使用方法を再検討する
環境省の調査によると、2019年度の1世帯当たりにおける年間CO2排出量は、電化製品使用に伴う二酸化炭素排出量が、67.1%となっています。
この数字は、各家庭で家電の使い方を少しずつ見直すことが、CO2削減につながることを示しています。
家電の使い方を見直す
「省エネ」と言うと、取り組むのが大変なイメージかもしれませんが、今すぐに始められる簡単な省エネはたくさんあります。
しかも、省エネ活動を頑張ることは、節約にもつながるのです。
このように考えると、ポジティブな気持ちで取り組めるのではないでしょうか。
- 使っていない部屋の電気や、家電のスイッチはこまめに切る
- エアコンの設定温度を見直す
- 冷蔵庫の開閉は素早く行う
- 窓にはカーテンを掛けて、冷暖房の効率をアップさせる
再生可能エネルギーを扱う新電力会社への切り替えも省エネ活動に!
再生可能エネルギーとは、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギーです。
2016年に電力が自由化され、それ以降新たに電力事業を始めた新電力会社と呼ばれる電力会社では、再生可能エネルギー比率が高い電気料金プランを展開している企業がたくさんあります。
興味がある人は、新電力のホームページで「電源構成」という項目を確認してみてください。
電源構成は、発電する方法と、その割合を記載したものです。
一般的には「LNG(液果天然ガス)」「石油火力」「水力」「石炭火力」「原子力」というように、何によって発電されているかが掲載されています。
この項目に「太陽光発電」「風力発電」「地熱発電」などの再生可能エネルギーが記載されていれば、その電力会社は再生可能エネルギーを使用しているということです。
また、直接的な自然エネルギー調達以外にも電気を使う需要家がCO2削減効果に貢献できる仕組みとして非化石証書などを活用し実質的に再生可能エネルギーを供給するサービスも存在します。
地球にも、お財布にも優しい省エネ活動で、地球の未来を守りましょう!