「COP26」や「パリ協定」とは 脱炭素社会実現に向けた世界の動き

「COP26」や「パリ協定」とは 脱炭素社会実現に向けた世界の動き

世界では、脱炭素社会に向けたさまざまな取り組みが行われています。そのうち代表的な取り組みが「COP26」「京都議定書」「パリ協定」です。これらは脱炭素社会に向けた取り組みですが、それぞれどんな取り決めがされたのでしょうか。本記事では、脱炭素社会の実現に向けた世界の動きをご紹介します。

COPとはそもそもどんな会議なのか

2021年10月31日~11月13日にかけ、イギリスのグラスゴーで「COP(気候変動枠組条約締約国会議)」の第26回目である「COP26」が開催されました。この会議では、気候変動などの重要な課題に関して議論されました。COP史上最大の約4万人が参加し、首脳級会合である「世界リーダーズ・サミット」には約130ヶ国以上の首脳が集まりました。

ではCOPとはそもそもどんな会議なのでしょうか。COPは、「Conference of the Parties」の略称で「締約国会議」と訳されます。条約を結んだ国同士による会議という点では、さまざまな締約国会議が開催されていますが、COPとして報道されるものの多くが気候変動に関する会議です。この会議は、1994年に発行された「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」に関係しています。UNFCCCは197ヶ国地域が締結・参加しており、2020年までの枠組が定められた「京都議定書」や2020年以降の枠組が定められた「パリ協定」は、このUNFCCCの目的を達成するための具体的な枠組となっています。

COPはUNFCCCに賛同した国々が参加しています。気候変動問題は世界の問題であり、各国が協力して取り組まなくてはいけない問題として周知されています。

COP26で決まったこと

COP26では、全体的なメッセージとして以下が出されています。

・締結国に対して21世紀半ばの「カーボンニュートラル」を求め、経過点である2030年に向けて野心的な気候変動対策が求められています。

・全ての国が、排出削減の対策が行われていない石炭火力発電の排出削減対策や、化石燃焼補助金のフェーズアウトなどの努力を加速させることも求められます。

・COP26では、G20を含む150ヶ国以上が期限付きのカーボンニュートラルを目標としています。

京都議定書とパリ協定の違い

京都議定書もパリ協定も「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」の条件を達成するための、具体的な枠組です。京都議定書は2020年までの枠組、パリ協定は2020年以降の将来的な枠組について定められました。

京都議定書(2020年までの枠組)

UNFCCC締結国のみ署名と締結が可能で、UNFCCCを脱退すれば京都議定書も脱退となります。
京都議定書はCOP3で採択され、温室効果ガスの排出量の削減について初めて具体的な数値が定められました。しかし、先進国だけを削減義務対象にしていたため、不満の声もありました。その結果、日本は2008~2012年の第一約束期間は参加しましたが、2013~2020年までの第二約束区間は不参加でした。

パリ協定(2020年以降の将来枠組)

UNFCCC締結国のみ署名・締結が可能で、UNFCCCを脱退すればパリ協定も脱退となります。日本は2016年4月に署名しました。パリ協定では世界全体の長期目標として「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して、2度より十分低く保つ(2度目標)。さらに1.5度に抑える努力を追求する(1.5度目標)」が提示されました。

さらに具体的な削減目標は各国が自ら設定し、必要な対策を講じるとされています。削減目標は5年ごとに更新され、より実態に即した排出削減の取り組みがなされています。

脱炭素社会の実現に向けて私たちができること

COP26での国際交渉の中で、気候変動対策に対して消極的な国に与える「化石賞」という、不名誉な賞を日本が受賞し、日本の気候変動対策は急務の課題となっています。
脱炭素社会の実現というと、国が行う取り組みのように聞こえますが、個人でも参加できる取り組みもあります。ここでは脱炭素社会の実現に向けて個人ができることを紹介します。

再生可能エネルギーを選ぶ

何か環境にやさしいことをしたいと考えているなら、再生可能エネルギーへの切り替えもおすすめです。再生可能エネルギーとは、太陽光・水力・風力・バイオマスなど、温室効果ガスを排出しないエネルギーのことです。2016年4月1日以降の電力全面自由化により、一般家庭も含めた消費者(需要家)は電力会社を自由に選べるようになりました。電力自由化されたことで、多くの会社が新規に電気小売事業に参入し、さまざまなプランが登場しました。中には再生可能エネルギー由来の電気を使用したものもあります。こうしたプランを選べば、電気を使いながら手軽に環境に配慮できるのです。

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まとめ

脱炭素社会の実現に向けて、世界中でさまざまな取り組みがなされています。こうした取り組みを決めるのが「COP」などです。この国際会議では多くの首脳が集まり、脱炭素社会の実現に向けた具体的な取り組みや目標が決定されました。今後も、こうした会議により気候変動問題を解決に導くための議論が交わされることが予想されています。

出典:経済産業省「あらためて振り返る、「COP26」(前編)~「COP」ってそもそもどんな会議?」

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/cop26_01.html

経済産業省「あらためて振り返る、「COP26」(後編)~交渉ポイントと日本が果たした役割」

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/cop26_02.html

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