さまざまな電気代プランがある中で、市場連動型プランが誕生しているのをご存知でしょうか。法人向けのプランも登場しており、普及が進んでいます。本記事では、法人向けの市場連動型プランの概要やメリット、これまでとの違い、注意点などをご紹介します。
法人向けの市場連動型プランとは
多くの法人では、高圧電力を契約しているのではないでしょうか。高圧電力のプランでは、直近12ヶ月の電力使用の最大値に応じ、基本料金と使った分だけ増える従量料金が固定単価で計算されます。これに、再エネ賦課金と燃料費調整額が加わるプランが一般的でした。
一方、市場連動型プランは、日本卸電力取引所（JEPX）の取引価格に応じて価格が決まります。料金の計算方法や市場価格の反映方法は、提供する事業者ごとに異なりますが、基本的にはJEPXでの卸市場価格を各時間帯反映させるのが一般的です。
卸市場では単価変動が起こりますが、その変動影響は電力の需要と供給バランスの変化によるものです。発電容量や発電コスト（供給力）に対して電力の需要が高まると取引価格が上昇します。一方、電力供給量が一定な時に、需要が低い時間帯では取引価格が安くなるのが大きな特徴です。
そのため市場連動型の電気料金は電力量料金が固定単価ではなく市場の価格に連動した変動価格となり、また別途電源調達費など事業者毎のコスト単価が追加されたりする場合があります。
最終保障供給の仕組み
最終保障供給とは、電力契約のセーフティと呼ばれているものです。最終保障供給があれば、万が一契約している電力会社が倒産しても、一般送配電事業者からの電力供給が保障されていました。この最終保障供給価格にも、2022年9月から市場連動の仕組みが導入されることになったのです。
これにより、電力の取引価格が一定の基準を超えれば、調整額に加算されます。基準額を下回った場合は、減算されます。最終保障供給は、需要のある方が電気を失わないための緊急保護的な役割を果たしてくれますが、ずっとその契約で居続けることは想定されていません。新しい契約先を見つけることを前提にしているので、スタンダードな電気料金プランに比べて割り増しされているので注意が必要です。
また、最終保障供給には下限が設定されています。たとえば、JEPXが10円でも、20円（kWh）の下限値が設定されていれば、それ以上安くなりません。さらに、上限は設定されていないので、高い時はどこまでも高くなってしまいます。つまり、市場連動型最終保障供給は、市場連動型の良い部分をまったく活用できません。そのため、最終保障供給を受けている事業者は、早めに次の電力会社を見つけることをおすすめします。
市場連動型プラン移行へのメリット
市場連動型プランに移行することで、法人にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、移行するメリットをご紹介します。
市場価格が下がれば電気代が安くなる
市場連動型プランは、市場価格が下がれば電力使用量単価も下がります。電気料金がある程度固定されているプランと異なり、市場価格に影響されるため、下がればそれだけ電気を安く使うことができるのです。
また、電気代高騰のリスクも軽減できます。市場連動型プランは、JEPXが販売する市場価格に合わせて、30分ごとに電力量料金の単価が変化します。市場価格は、「燃料費」「気象条件」「電力の需給状況」の3つで決定されます。そのため、太陽光発電の発電量が増える時間や需要が少ない時間などは、市場価格が大幅に下がるのが特徴です。電気料金が安くなるタイミングで電気を使用すうようシフトできれば、出費を大幅に抑えることができるでしょう。
環境意識の向上につながる
市場連動型プランは、自然環境や世界情勢に大きく影響されます。毎日電力使用量単価が変化するため、より電気を使用することに対する意識が高まり、環境や社会問題に対する意識も向上してくるでしょう。また市場連動型プランを提供している電力会社によっては、再生可能エネルギー由来の電気を取り扱っている場合もあります。再生可能エネルギーの普及は、脱炭素社会を実現するために不可欠な要素の1つです。こうしたプランを選べば、より環境問題に関心を持てるようになるでしょう。
市場連動型プランのリスク
市場連動型プランにはリスクもあります。ここでは、主なリスクについてご紹介します。
電気料金が把握しづらい
市場連動型プランは、毎月の電気料金が把握しづらいリスクがあります。一般的な料金プランの場合、電気料金がある程度予測できます。しかし、市場連動型は30分ごとに単価が変わるため、電気料金がどのくらいになるのか、見通しを立てにくくなるでしょう。
リミックスでんきの市場連動型プランのご紹介
リミックスでんきの市場連動型プラン「JEPX（市場連動型）スタンダードプラン」は、全て日本卸電力取引所（JEPX）から電源を調達しています。そのため、請求料金はJEPXの調達コストを元に算出されます。
「JEPX（市場連動型）スタンダードプラン」は、現契約の小売事業者が値上げ、もしくは強制解約の案内を受けて以降先が見つからない事業者や、最終保障供給にならざるを得ない事業者におすすめです。最終保障供給で避難して契約が宙ぶらりんな状態よりも、市場連動プランでも受け入れてもらえる電力会社と契約できる方が安心といえるでしょう。
リミックスでんきの市場連動型プラン「JEPX（市場連動型）スタンダードプラン」は、電話やメールでお問い合わせを受け付けております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
