都市ガスとプロパンガスの違いは?それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説

都市ガスとプロパンガスの違いは?それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説

一般家庭のガスは、大きく分けて都市ガスとプロパンガスの2種類があります。どちらが安いのか、どんなメリット・デメリットがあるのか、気になる人も多いのではないでしょうか。本記事では、都市ガスとプロパンガスの違いやそれぞれのメリット・デメリット、ガス料金の違いなどをご紹介します。

都市ガスとプロパンガスの違い

都市ガスとプロパンガスは、両方とも燃料として使用されますが、成分に違いがあります。またお住まいの地域や使用状況によって、供給方法も異なります。

  • 都市ガス

都市ガスは、一般的に天然ガスと呼ばれるもので、主成分はメタンです。地下の天然ガス田や油田から採取され、パイプラインを通じて都市や住宅に供給されます。都市ガスは、石炭や石油などの化石燃料から生成されるものではなく、天然に存在するガスです。

  • プロパンガス

プロパンガスは液化石油ガス(LPG)とも呼ばれます。主成分はプロパンとブタンであり、原油や天然ガスから製造されます。プロパンガスは液体の状態で貯蔵および運搬され、タンクやシリンダーに充填された状態で家庭や商業施設に供給されます。

  • 発熱量(火力)

都市ガスの発熱量は、1㎥あたり約11,000Kcalです。一方、プロパンガスの発熱量は、1㎥あたり約24,000Kcalとされています。つまり、同じ量のガスを使用した場合、プロパンガスの方が都市ガスよりも多くの熱量を得ることができます
一見するとプロパンガスの方が、使い勝手が良いように思えますが、都市ガス用のコンロはガスが多く出るように設定されているものが多いので使い勝手の差を感じることは少ないでしょう。

  • 供給範囲

都市ガスとプロパンガスは、供給範囲にも大きな違いがあります。都市ガスを利用するには、地下のガス導管設置が必要なため、都市部での供給が多くなっています。一方、プロパンガスは簡単な装置とボンベがあれば良いため、全国どこでも設置は可能です。

プロパンガスと都市ガスはどちらが安いのか

都市ガスは比較的安価な傾向があります。都市ガスは、天然ガスを主成分とするガスであり、ガス導管が整備されていれば利用できるため、比較的安価に供給されています。一方、プロパンガスは、液化石油ガスを主成分とするガスであり、ガス管が整備されていない地域ではボンベで輸送されるため、都市ガスよりも高価です。

地域やガス会社によって差がある

一般的にガス料金は都市ガスの方が安いとされていますが、プロパンガスも都市ガスも地域やガス会社ごとに価格が異なります。2017年4月にガス小売の全面自由化が始まったことにより、会社ごとに競争が生まれ、ガス料金を自由に決められるようになりました。また、消費者も自由にガス会社を選べるようになったのです。この結果、使用する地域が同じでも価格に大きな差が出るようになりました。

ただし、集合住宅や賃貸住宅の場合は、オーナーや管理会社の意向でガス会社が決定されるため、ガス会社を自由に選べるとは限らないので注意が必要です。
また、都市ガスの場合は事業者が供給可能な対象エリアでなければ契約することができません。

都市ガスのメリット・デメリット

ここでは、都市ガスのメリット・デメリットについて解説します。

メリット

  • 安価な料金で供給も安定している

先述のとおり、都市ガスは天然ガスを供給するため、プロパンガスより比較的安価に利用できます。また、パイプラインによる供給が一定で安定しているため、供給に関する心配が少ないです。

  • 火力が高い

都市ガスは燃焼効率が高いため、エネルギーの無駄を最小限に抑えられます。

  • 環境にやさしい

都市ガスの燃焼時に排出される二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)の削減が期待され、環境にやさしい燃料とされています。

デメリット

  • 地域による供給の制約

都市ガスの供給にはガス導管が必要なため、一部の地域では供給が制限される場合があります。人口が集中している都市部でのみ供給されていることが多いため、使えない地域も多くなっています。

  • 機器の制約

都市ガス専用の機器とプロパンガス専用の機器があり、互換性に注意する必要があります。都市ガスを利用しようとした場合、ガスコンロや給湯器などの設備を交換しなくてはいけない場合もあるでしょう。

  • 料金が都市ガスに比べて高い

一般的に、プロパンガスの料金は都市ガスと比較して高い傾向にあります。また、原油価格や天然ガス価格の変動に影響を受けるため、価格が不安定になる場合も考えられます。

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ライフスタイルに合わせて選ぼう

都市ガスとプロパンガスのどちらを選ぶかは、それぞれの家庭の状況やライフスタイルによって異なります。“災害時のためにプロパンガスがいいけど、料金が高い…”とお考えの方は、料理の際にIHヒーターを利用するのもおすすめです。ガスの使用をお風呂のみに絞ることで、ガス料金を抑えられます。

料金を重視するなら都市ガス、利便性を重視するならプロパンガスといったように、メリットとデメリットを比較して、自分に合ったガスを選んでみてはいかがでしょうか。

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