デマンドレスポンスとは?賢く電力活用するDRを解説

デマンドレスポンスとは?賢く電力活用するDRを解説

デマンドレスポンス(DR)とは、電気の需要(消費)と供給(発電)のバランスをとるために消費者が計画的に賢く電気使用量をコントロールすることです。
電気の需要と供給のバランスを正常に保つことにより、電力発電所による安定的な供給を行う仕組みを指します。
発電所の電力供給能力がひっ迫する前に、消費者側で消費量を抑える取り組みを行うことにより、需要と供給のバランス崩れによる大規模な停電や計画停電などのエネルギー関連のトラブルを防止することが目的です。

デマンドレスポンスは電力システムによる安定供給に留まらず、環境問題への貢献や再エネの効果的な利用など、さまざまなメリットが期待できるため世界的に注目されています。
今回は「リミックスでんき」においても積極的に参画し、取り組む予定であるデマンドレスポンスについてわかりやすく解説します。

デマンドレスポンスの重要性

発電した電気は大量に貯めることはできないため、電力の需要と供給を一致させることが重要で、発電所としては需要規模をあらかじめ想定し、発電計画に沿った電力供給を行う必要があります。

しかし

・急な寒波や酷暑など気候の急激な変化

・地震などの災害

・戦争など、有事の際に起こるエネルギー価格高騰

こうした想定外の事案により電力需給・供給のバランスが崩れる事態が起こり得ます。 需供給がアンバランスになることで電力予備率が低下し、計画停電を余儀なくされるだけでなく、2018年の北海道を襲った大規模停電のような、深刻な社会的リスクに発展することが懸念されます。供給量安定において、従来は発電所という供給側による出力調整での対応がメインでした。
しかし現在はアグリゲーターと電力会社との連携により、電力ユーザーへ効率的な節電要請だけでなく、逆にお得な利用時間(供給負荷の掛からない時間帯)への周知などで電気の使用量を分散させることを積極的に促し、より環境負荷と無駄の少ない電力バランスを保つことが可能となりました。

節電需要の高まり

節電が強く意識された2022年では、春に東京電力管内で電力使用率が100%を超え、東北電力管内でも100%に近づいたことで「電力需要ひっ迫警報」が発令され、また6月には「電力ひっ迫注意報」が発令されました。
この背景には同年3月の地震による福島県内の火力発電所の破損や、火力発電自体の休・廃止の進行下であったこと、3月の厳冬や6月には異例の連続猛暑など、複合的な要因が電力ひっ迫への影響を及ぼしています。このような行政による発令や節電要請を受け、各家庭や企業、街や商店では看板や店内の照明を落とすなどの節電対応がとられました。

直近年と比べても、日本全体の電力使用量が急増したわけではないのにも関わらず、地震や想定外の気候変化などが原因で電力需給バランスが崩れてしまうことや、発電所の稼働効率も低下し発電量の確保も厳しくなり電力予備率が急低下しています。
国家間の争いによる世界的なエネルギー危機など、今後も深刻な電力予備率低下が懸念される事態が想定されるかもしれません。そのためデマンドレスポンスによる効率的なエネルギー運営の向上が期待されます。

デマンドレスポンスの種類とは?

デマンドレスポンスにおける主な需要供給の制御方法としては2つ挙げられます。

  • 下げDR

電気需要のピークを想定して需要機器の出力を下げるなどの対応により、電気の需要量を下げます。

  • 上げDR

発電量が多く見込まれる時間帯に需要量を増やすことをいい、例えば再エネ等の過剰出力分を蓄電池に充電したり、需要機器を積極的に稼働させるなどの対応により、供給量を吸収させます。

この2つの方法を使い分け、送電線の電気量を調整することによって電気品質である周波数を安定させる方法を「上げ下げDR」と呼びます。

リミックスでんきとしても、デマンドレスポンスプログラムに参加いただいたお客様へポイント付与や、「下げDR」要請時の節電割合に応じたインセンティブの提供に取り組んでいきます。

デマンドレスポンスの効果的な取り組みとは?

デマンドレスポンスの取り組みの具体例としては

・エアコンなどの空調や照明の調整(上げ下げDR)

・生産計画の変更・見直し(上げ下げDR)

・蓄電池などの充電(上げDR)

・蓄電池などの放電(下げDR)

などが挙げられます。電力会社による「上げ下げDR」の要請時に、お客様へ経済的な電力使用時間帯を周知することで、効率的なデマンドレスポンス運用が可能となります。

例えば、弊社でも取り扱うリミックスバッテリーといった蓄電システムで積極的な充放電を行うことで、電力ひっ迫時に蓄電池からの電力使用、また再エネ設備が過剰発電時などには余剰電力を蓄電池に充電するなど、社会全体のエネルギー効率を向上させることが可能となります
特に1年のうち、一般家庭で最も電力使用量が上がることが予想される冬季においては、概ね21時以降などひっ迫自体に陥りやすい時間を外した深夜帯の電力使用がおすすめであったりします。
また、ひっ迫時間帯(概ね6時~10時、16時~21時)には太陽光発電にて昼間に貯めた蓄電池からの放電などで電力使用することで、平均してかなり効率的でお得な使用方法と言えるでしょう。

リミックスでんきもデマンドレスポンスプログラムを開始

リミックスでんきは、いまや世界的な課題であるエネルギー問題や環境問題改善へ積極的に貢献できるデマンドレスポンスに参加し、節電キャンペーンを行う予定で、対象期間内に節電に協力していただいたお客様へ様々な特典をご用意しています。

一般の家庭のお客様

・参加表明をされたお客様全員に2000円相当のポイントを贈与(※全額国からの補助です。)

・前年の同月と比べて3%以上の電力削減を達成できた場合、さらに1か月1,040円相当のポイントを贈与(※国から1,000円/月補助、リミックスポイントから40円/月補助です。)

・節電要請時、節電協力いただいた削減量に応じて通常5ポイント/kWhのところ、4倍~8倍のポイントを贈与

法人様など高圧契約のお客様

・デマンドレスポンス参加協力金、1法人様20万円のキャッシュバック(※全額国からの補助です。)

・毎月の削減電力量(kWh/月)が前年同月比3%以上で、施設毎に毎月20,400円(最高61,200円)が節電インセンティブキャッシュバック

・節電要請時、ご協力いただいた削減量に応じて、施設様毎に、通常10円/kWhのところ、2倍~4倍の節電インセンティブキャッシュバック

まとめ

電力の安定供給が重要視される現在、需要側・供給側ともに大きなメリットのあるデマンドレスポンスは、ポジティブで効率的な対策として今後日本でも浸透していくことが予想されます。電力ユーザーも、デマンドレスポンスでエネルギー問題向上に貢献しながら、リミックスバッテリーといった蓄電システムを利用することで相乗効果が見込まれ、さらに家計にやさしい経済的なエネルギー使用が期待できます。興味を持たれた方はぜひお気軽にご相談ください。

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