低圧電力・高圧電力それぞれの違いは?特徴や使い分けについて

  • 2021.04.30
  • FAQ
低圧電力・高圧電力それぞれの違いは?特徴や使い分けについて

飲食店など店舗を経営するにあたって固定費の削減は売上向上と同じぐらい重要なものです。このため日々使用する電力の契約についてはしっかりと理解しなくてはいけません。電力の契約には低圧電力・高圧電力と電圧により違いがあります。低圧電力、高圧電力、それぞれどのような特徴を持つのか確認しましょう。

電圧の種類と特徴

電圧の種類と特徴

まずは低圧電力、高圧電力、そして特別高圧電力の特徴について解説します。

そもそも電圧とは

電圧とは「電気を送るときにかかる圧力」のことをいい、単位はV(ボルト)で表されます。発電所で作られた電気は超高圧変電所、一次変電所、二次変電所、中間変電所、配電用変電所などの変電所で使用される場所に適した電圧に変えられ、効率よく各家庭や店舗、工場などに電力が送られます。
そして変電所で変えられた電圧には低圧電力と高圧電力、そして特別高圧電力があります。

低圧電力とは

「電気設備に関する技術基準 (電圧の種類等)第二条」にて低圧電力は直流で750V以下、交流で600V以下と定められており、電柱の柱上変圧器(トランス)で100Vと200Vまで電圧が下げられ電力が送られています。
低圧電力は契約電力が50kW未満なので、住居や小規模店舗、事務所などに適しているといえます。

高圧電力とは

「電気設備に関する技術基準  (電圧の種類等) 第二条」にて高圧電力は直流で750ボルト超7,000V以下、交流で600V超7,000V以下のものと定められています。
高圧電力は契約電力が50kW以上なので、飲食店や美容室などの店舗から事務所、幼稚園や保育園、スーパーマーケット、工場などさまざまな商業施設に適しています。

特別高圧電力とは

電圧には低圧・高圧以外に特別高圧という電圧があります。「電気設備に関する技術基準  (電圧の種類等) 第二条」では特別高圧電力は電圧が7,000Vを超えるものと規定されており、大量の電力を使用する施設では特別高圧電力が使用されます。標準電圧20,000V以上で、特別高圧電力が用いられるのは大工場などに大型施設に限られています。

低圧電力と高圧電力の違い

低圧電力と高圧電力の違い

低圧電力と高圧電力は供給方法の違いによりコストなどが大きく違ってきます。無駄な電気代を省くためにも低圧電力と高圧電力それぞれコストの違いをしっかりと確認しましょう。

電気の供給方法

低圧電力と高圧電力では受電方式が大きく異なります。

  • 低圧電力
    低圧電力は発電所で作られた電気が超高圧変電所から一次変電所、二次変電所、中間変電所、配電用変電所、最後に電柱の上にある柱上変圧器(トランス)を経由して各家庭や店舗などに配電されます。
  • 高圧電力
    高圧電力も発電所で作られた電気は超高圧変電所から一次変電所、二次変電所、中間変電所、配電用変電所を経由します。しかし高圧電力では柱上変圧器の代わりに「キュービクル式高圧受電設備(キュービクル)」という変圧器によって電力が供給されます。「キュービクル」とはオフィスビルや店舗、工場、病院などの施設が独自に設置した自家用変圧器のことです。発電所から送られた6,600Vの電圧が「キュービクル」を経由して、100Vと200Vまで電圧を下げて電力を使用するのです。
  • 特別高圧電力
    特別高圧電力を使用する場合は施設内に電柱を設置し施設内に送電線を引き込む必要があります。また各施設に電気主任技術者の配置も必要となるなど特別高圧電力を必要とする場合は大規模設備、専門知識を持つ人材が必要となります。

固定費

低圧電力は電柱の柱上変電器から各家庭や店舗などの分電盤などは電力会社の持ち物となります。そのためこれらの固定費は必要ありません。
対して高圧電力を使用する場合、「キュービクル」を独自に設置する必要があります。そのため「キュービクル」設置費用から人件費などを含めた維持費がかかります。
特別高圧電力の場合も施設内の電柱などの維持費や電気主任技術者の人件費などがかかります。

電気使用料

低圧電力と高圧電力では1kWhあたりの電気使用単価は低圧電力のほうが割高になります。そのため高圧電力を使用する場合は「キュービクル」の設置など固定費がかかりますが、長期的に考えると高圧電力のほうが電気使用量に対する削減率が大きくなる可能性が高まります。

コスト削減は電圧と電気会社の見直しから

コスト削減は電圧と電気会社の見直しから

電気料金の見直しは会社や店舗経営でとても重要な要素です。契約している電圧や電気会社の見直しなどで上手にコストカットを図りましょう。

まずは料金プランの見直しを

電気料金は使用している電圧によって料金が違ってきます。電気料金の見直しをするなら、現状の使用量や必要最低限の電圧で良いかどうか、さらには現状の料金プランで良いかなどを見直しましょう。 特に低圧電力から高圧電力に移す場合は「キュービクル」を設置する必要もあります。このような固定費を含めて長期的な視点から電力料金の見直しを図りましょう。

新電力会社への切り替えも検討しよう

現在契約している電力会社であまりコストカットができない場合は新電力会社への切り替えもおすすめです。電力の小売りは現在ではすべて自由化されています。そのため今ではさまざまな業種から多くの会社が電力業界に参入し多彩なサービスメニューが提供されています。コスト面はもちろん、そのほかのサービスを含めてご自身に適した電力会社を探してみてはいかがでしょうか。

契約の見直しで電気料金の見直しを

電力会社との契約には大きく分けて低圧電力、高圧電力があります。低圧電力は住居や小規模店舗などに適し、高圧電力は店舗や幼稚園、工場などをはじめさまざまな商業施設に適しています。
電気料金を見直すときは契約している電圧が適正かどうかを長期的視点で確認しましょう。電気料金の見直しには新電力会社などへの切り替えも効果的です。

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