太陽光発電を自宅に導入した場合、余剰電力を売電することができます。余分な電力を売ることで収入を得られるのが大きなメリットですが、利用するには手続きが必要です。本記事では、太陽光発電の売電の仕組みや制度、家庭で太陽光発電の売電をする方法や、手続きについてご紹介します。
そもそも太陽光発電の売電とは
太陽光発電を導入した際に、余剰電力を「売電」するという選択肢があります。売電とは、自宅に設置した太陽光発電設備で発電された電力を、電力会社に買い取ってもらう仕組みです。太陽光発電で発電された電力は基本的に自家消費しますが、発電量が消費電力より多ければ、余剰電力を電力会社に売ることができます。
固定価格で売電できる期間「固定価格買取り制度(FIT制度)」とは
固定価格買取り制度(FIT制度)とは、住宅用太陽光発電などによる余剰電力を「10年間」固定価格で電力会社などが買い取ってくれる制度です。これは国が電力会社に義務付けている制度で、2009年に始まりました。固定価格の金額は毎年見直されているため、導入時点での買取り価格を確認しておくことをおすすめします。
売電に必要な手続き
太陽光発電の売電に必要な手続きは、全部で3つに分けられます。それが、売電開始前に行う「系統連系申請(電力受給契約申請)」「事業計画認定申請」と、売電開始後に行う「定期報告」です。それぞれ詳しくご紹介します。
系統連系申請(電力受給契約申請)
系統連系申請とは、管轄する電力会社に対し、売電許可を求める手続きのことです。系統とは、送配電網、電柱、変圧設備など電力会社が持っている設備の総称です。FIT制度により、太陽光発電によって発電された電気は、そのエリアを管轄する電力会社に買取り義務が生じます。そのため、太陽光発電設備と電力会社の送配電網を接続する必要があり、この系統との接続手続きが、系統連系申請なのです。系統連系申請に必要な書類には以下が挙げられます。
・系統連系申請書
・系統連系協議依頼票
・単線結線図
・付近図・構内図
・主幹漏電ブレーカーの仕様が分かる資料
・認定証明書(JET証明書)
・保護機能の整定範囲及び制定値一覧表
上記が一般的に必要な書類ですが、必要な書類や書式は電力会社ごとに異なります。そのため、申請前に管轄の電力会社に確認しておくことをおすすめします。
事業計画認定申請
売電開始前に行うもう1つの手続きが、事業計画認定申請です。事業計画認定申請は、国へ売電認可を依頼するための手続きです。事業計画認定申請は、太陽光発電の出力が「10kW未満」「10kW以上50kW未満」「50kW以上」に分けられます。家庭用は10kWであることが多いため、10kW未満のケースをご紹介します。必要な書類は以下の通りです。
・野立ての場合:土地の取得を証する書類(登記事項証明書など)
・屋根上に設置する場合:建物所有者の同意書類(建物の登記事項証明書など)
・接続の同意を証する書類の写し(接続契約書など)
・構造図
・配線図
・委任状(代行事業者が申請する場合)
・印鑑登録証明書(代行事業者が申請する場合)
手続きは、経済産業省の電子申請サイトから行います。この申請は業者に委託することも可能です。委託する場合は、申請情報登録後に承諾手続きを行う必要があります。業者から、承諾手続きに関する連絡が来ますので、その指示に従って手続きを行いましょう。
定期報告
定期報告は、太陽光発電の売電開始後に行う手続きです。費用実績を経済産業省に提出するための手続きを指します。定期報告には、主に以下の種類があります。
・設置費用報告
・運転費用報告
定期報告は、産業用太陽光発電には提出が義務付けられていますが、家庭用はこの限りではありません。どの報告が必要かは、補助金の受給状況などで異なります。
太陽光発電設備の分類 | 設置費用報告(増設費用報告) | 運転費用報告 |
10kW未満の設備 | 必要(増設費用報告は不要) | 経済産業大臣が求めた場合は必要 |
10kW以上の設備 | 必要 | 必要 |
出典:経済産業省「費用の定期報告」
設置費用報告(増設費用報告)は、発電設備が運転開始した日から1ヶ月以内に行います。運転費用報告は、発電設備が運転開始した月、またはその翌月、毎年1回報告する必要があります。
太陽光発電の導入を検討しているならリミックスバッテリー
太陽光発電の導入を考えているなら余剰売電以外にも蓄電池を活用して、上手に自家消費バランスを取りながら効率良く太陽光発電を使用することも可能です。
例えば、昼間太陽光で発電した電力の余剰分を蓄電池に溜めておき夜間や朝方に使用する方法です。
蓄電池導入を検討するなら「リミックスバッテリー」がおすすめです。リミックスバッテリーは以下のようなメリットがあります。
・既存の太陽光システムを利用できる
・家庭用最大クラス17.3kWhの大容量
・停電時は自動で運転を切り替え可能
・最大出力5.9kW
・高性能・長寿命のリチウムイオン電池を利用
・補助金の対象機器
・防水・防塵の安全設計
さらに、最大15年の保証が付いているのが特徴です。設置完了日から10年間、製品起因の自然故障による修理・交換を保証(※1)があり、さらに5年間の延長保証(有償)もご利用いただけます。また、自然災害補償(※2)も無償で10年間付いてきます。ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。
※1 製品の付属品・外部部品・交換工事費用は保証対象外です。保証登録されていない製品は保証対象となりません。5年間の延長保証は有償となります。
※2 地震・津波・火山の噴火に起因する故障、盗難は補償対象外です。また、自然災害補償の延長はできません。
太陽光発電の売電を検討している人は手続きが必要
太陽光発電による売電は、設備を設置するだけでなく、手続きが必要です。それぞれ提出先が異なり、どれか1つでも手続きが遅れるとスタートの時期が遅れる可能性があります。申請前にしっかり確認しておくことをおすすめします。