夏になると日照時間が増えるため、太陽光発電の発電量が上がるイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、実は夏の太陽光発電の発電効率は低い傾向にあるとされています。本記事では、夏になると太陽光発電の効率が低下する理由、対策などについてご紹介します。
夏になると太陽光発電の発電効率が低下する理由
通常、太陽光発電は日射量が多いほど、発電量が上がるため発電効率も上昇します。しかし、夏になると発電効率が下がってしまうことがあります。その理由として挙げられているのが、太陽光パネルの温度上昇です。
太陽光パネルは、太陽光を電気に変換するシリコンという半導体で作られています。シリコンや半導体は、温度が上がると発電効率が低下します。夏は気温が高いため、太陽光パネルの温度も上がり、発電効率が下がるとされています。
多くのメーカーでは、太陽電池の公称最大出力の数値を、モジュール温度が25℃の値に設定しています。これは業界統一のルールで決まっています。公称最大出力とは、一定の条件下で太陽光パネル1枚あたりがどの程度発電するかを示した値です。太陽光発電におけるモジュールとは、太陽光発電のパネル1枚あたりの呼び方です。つまり、太陽光パネルの性能を示す値は、太陽光パネルが最も効率的に電気を生み出せるとされる25℃の条件下で出されている数値です。
一般的に、25℃から温度が10℃上昇すると約4~5%出力がダウンするとされています。 この25℃は外気温ではなく、パネルの表面温度を指します。つまり、太陽光を最大限受けるように設置される太陽光パネルは、外気温がそれほど高くなくてもかなり熱くなる環境にあります。
春から初夏の発電量が安定している
太陽光発電においてソーラーパネルの特性・機能をふまえると、日照時間が長い、かつ気温が低い季節が発電効率の面で最も有利と言えます。
一年の気候・季節から見ると、6月〜7月中旬くらいまでの梅雨や12月〜2月の冬の間は日照時間が短くなりますから発電量は少なくなってしまいます。こうしたことから、ソーラーパネルが高温になり過ぎず日照時間が安定している3〜5月の期間が、一年で最も安定して発電量が高くなるのです。
その他の発電効率が低下する理由
高温以外にも、太陽光パネルは以下のケースで発電効率が低下する場合もあります。
太陽光パネルのへの影
太陽光発電は、パネルに太陽光が当たることで電気を作り出します。そのため、樹木や建物などの影がパネルに被さってしまうと、発電効率が下がってしまいます。太陽光パネルは太陽電池が直列につながったものが多いため、影が覆った部分だけが発電しないのではなく、モジュール全体の電流が流れにくくなってしまいます。そのため、発電効率が大きく下がってしまうのです。
太陽光パネルの汚れ
パネルに付着した汚れも、発電効率に影響するとされています。汚れがあると、その部分に太陽光が当たりにくくなるためです。太陽光パネルは屋外に設置されているため、常時風雨にさらされます。多少の土埃などであれば、雨で流れますが、長年使用していると汚れが蓄積してしまいます。この汚れが、発電効率の低下につながっているのです。
そのため、太陽光パネルは専門業者に定期的なメンテナンスを依頼することをおすすめします。
太陽光発電の発電効率を下げないための対策
暑さに弱い太陽光パネルの発電効率を夏も下げないためには、主に高温対策が必要です。ここでは、高温対策方法についてご紹介します。
暑さに強い製品を選ぶ
近頃の太陽光パネルは、熱に強い製品が増えていますが、太陽光発電の導入時に、熱に強いパネルを選ぶ方法として、太陽光パネルは、大きく分けて「シリコン系」と「化合物系」の2つがあります。シリコン系は、さらに、単結晶、多結晶、HIT、アモルファスなどに分けることができます。素材に使用されているこのシリコンが、高温に弱い理由の一つとされています。特に、単結晶と多結晶は熱に弱いとされているので注意しましょう。一方、アモルファスは使用しているシリコン量を限界まで減らしているため、熱に強い傾向にあります。さらに、単結晶とHITも熱に強いとされています。
また、そもそもシリコンを使用していない化合物系であるCISも、熱に強いパネルといわれています。CISは、シリコン以外の物質を混ぜ合わせて作られ、シリコンと同じような特性を持たせています。熱に強いため、夏でもあまり発電効率が下がらないのが特徴です。
ただし、これらの熱対策用のパネルは、通常のパネルよりも高価なケースが多いです。そのため、設置の際にはメリット・デメリットを比較して選ぶ必要があるでしょう。地域的な気温状況を踏まえて、適切なパネルの選択が必要です。
メンテナンスをしっかりする
発電効率を低下させないためには、メンテナンスも重要です。太陽光パネルの発電量は、高温以外の原因でも低下してしまいます。太陽光パネルは屋外に設置するため、汚れなどが溜まりやすい環境にあります。特に花粉、鳥のフン、黄砂など、水で落ちにくい汚れが付着していると、発電量にも影響してきます。そのため、定期的に業者に依頼し、清掃してもらいましょう。
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まとめ
日射量が多い夏は発電量が多いと思いがちですが、実は太陽光パネルが高温になるため、発電効率は低下傾向にあります。年間を通じ、安定した発電量を得るためには、パネルを高温にしない対策が必要になります。暑さに強い、地域に合ったパネル選びが必要になりますが、どう選べばいいのか分からない方も多いとおもいます。そのため、設置の際には、信頼できる業者に依頼することが重要です。太陽光発電の導入を検討中の方は、まずはリミックスでんきへご相談ください。