フェアトレードとは?SDGsとの関わりについて

フェアトレードとは?SDGsとの関わりについて

近年、SDGsという言葉が一般的になってきました。フェアトレードはその中でも貿易に関する取り決めです。フェアトレードとは一体どのようなものなのでしょうか。本記事では、フェアトレードの概要、フェアトレードの始まりや仕組み、フェアトレードとSDGsの関係などをご紹介します。

フェアトレードとは

フェアトレードとは、日本語では「公平な貿易」と訳されます。先進国と開発途上国の間には、豊かさに関して大きな差があります。そして不公平な貿易が行われることも珍しくありません。途上国で生産された日用品や食料品が、驚くほど安い価格で販売されていたり、生産国ではその安さを生み出すため、正当な対価が生産者に支払われなかったり、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用され環境が破壊されたり、生産する人の健康に害を及ぼしたりといった事態が起こっています。
フェアトレードは、開発途上国でつくられたものを適正な価格で売買することで、開発途上国に不利な取引をなくそうという取り組みを指します。

適正な価格とは、生産者の労働の対価としてふさわしい金額、もしくは生産者が安心して暮らせるような金額です。先進国の企業が、立場的に不利な開発途上国の企業から適正な価格で取引を行えば、生産者の生活を安定させたり、向上させたりすることが期待できます。

フェアトレードとSDG’sの関係

フェアトレードは公平・公正な貿易をすることで、SDGsにも大きく関わります。特に発展途上国の生産者が自ら貧困を脱し、地域社会や環境を守り「サステナビリティ(持続可能な)」社会の実現を目指しています。 フェアトレードは、SDGsが掲げている17の目標のほとんどに関係しているとされており、世界の人口のうち、約40%は農業で生計を立てているといわれています。そして世界に約1億5,200万人いると考えられている児童労働者の多くが農業に従事しています。こうした状況を変えるためにも、フェアトレードは多くの国際機関や国内外の企業から注目されているのです。
フェアトレードはSDGsの中でも主に以下の目標に関係しています。

  • 目標1:貧困の撲滅

・阻害された生産者と労働者の権利と生活を保障する

・長期的な取引の促進

・必要に応じた前払いへの対応

  • 目標2:飢餓の撲滅・持続可能な農業の促進

・フェアトレードのバイヤーが提供する取引条件は、生産者と労働者を持続可能な生活ができるようにするものとする

・農薬の使用制限、水源や土壌、生物の保全、エネルギーのCO2排出削減

・現地農村の自立支援活動

  • 目標5:ジェンダーの平等

・女性の負荷軽減に活用し、社会的立場の向上に活かす(衛生的な水へのアクセス、医療や育児のサポートなど)

・女性にも男性と同等の仕事に対して対等の支払いが行われると共に、生産やフェアトレード取引などから得られる恩恵の使途の意思決定に全面的に参加することができる

  • 目標7:持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保

フェアトレードプレミアムなどの提供を通して、生産者などの取引相手の生活向上

・フェアトレード活動を通してコミュニティのエネルギー課題に取り組む

  • 目標8:安心安全な労働環境・強制労働・児童労働の撲滅

・ILO憲章に基づいたフェアトレードの基準(労働条件・労働環境の保証など)

・児童労働・強制労働発生リスクへの対策

  • 目標12:持続可能な消費と生産

・消費者と生産者をつなげる仕組み

・環境的に持続可能な農法の促進やプレミアムを使った持続可能性の取り組み(灌漑(かんがい)・生産性の改善など)

  • 目標13:気候変動への対策

・エネルギーの使用削減

・気候変動への対策トレーニングの提供

  • 目標16:平和で包摂的な社会の促進

・小規模生産者や労働者自らが政策提言に関われる体制の構築(エンパワーメント)

・児童労働を含むいかなる子ども虐待に反対し、撲滅を目指す。

  • 目標17:グローバル・パートナーシップの活性化

・持続可能な農業開発に向けた資金調達やイノベーション

わたしたちができるフェアトレード

フェアトレードのためにわたしたち個人ができることもあります。そのうちの2つの方法を紹介します。

フェアトレードの商品を選ぶ

わたしたち消費者ができることの一つが、フェアトレードの商品を選ぶことです。フェアトレードによって取引された商品には「フェアトレード認証ラベル」が貼られています。フェアトレードの商品は、コーヒー豆やカカオ、バナナ、スパイス、紅茶などの食品が中心です。消費者がフェアトレードの商品を選ぶことで、安心・安全の商品を購入できるだけでなく、生産者の暮らしを向上させることにもつながります。

再生可能エネルギーを選ぶ

さらに個人ができる環境対策の一つが、再生可能エネルギーを選ぶことです。2016年4月1日より「電力全面自由化」が始まり、一般家庭を含めた消費者(需要家)も電力会社や料金メニューを自由に選ぶことが可能になりました。
料金プランの中には、再生可能エネルギー由来の電気もあります。再生可能エネルギーとは、太陽光・水力・風力・バイオマスなどの、化石燃料を使わずに発電されたエネルギーを指します。再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出しないため、環境にやさしいといわれています。こうしたプランを選べば、日常的に環境に配慮できるでしょう。

まとめ

フェアトレードは、公正・公平な取引を続けることにより、発展途上国に不利益な取引をなくそうという取り組みです。持続的にフェアトレードを行うことで、生産者の貧困からの脱却や環境破壊の防止などが期待できます。日本ではまだ知名度の低いフェアトレードですが、消費者が身近にできる取り組みなので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

https://benesse.jp/sdgs/article13.html

https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/

https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/sus.php

SDG'sカテゴリの最新記事