「月々の電気代をもっと節約したい」と考える人は多いのではないでしょうか。実は、従来の白熱電灯や蛍光灯をLEDに変えるだけで、電気代が節約できる場合があります。では実際に、どのくらい電気代が節約できるのでしょうか。本記事では、LEDと蛍光灯・白熱電球でどのくらい電気代が変わるのか、LEDに変えるメリットなどをご紹介します。
そもそもLEDとは?
LEDは、「Light Emitting Diode」の略称です。直訳すると「光る半導体」になります。半導体は、トランジスタやICなどで使われる「一定の電気的性質を持った物質」のことを指します。LEDは1950年代に実用化されましたが、当時は赤色のものしかなかったため、家庭用の照明として使われることはありませんでした。
その後、1993年に青色発光ダイオードが発明され、1996年に青色と黄色を組み合わせた「白色ダイオード」が完成します。これによって、一般家庭用の照明が商品化されることとなりました。そして現在では、白熱電灯や蛍光灯などと同様に、一般的な照明器具の一種となっています。
LEDに交換したらどのくらい電気代が安くなるのか
ほぼ同じ明るさの一般電球と電球型のLEDランプを比較した場合、「約85%」電気代を削減できるとされています。
消費電力 | ランプ寿命 | |
一般電球60形 | 約54W | 1,000時間 |
電球型LEDランプ | 約8W | 40,000時間 |
電球型のLEDは一般電球と比較すると、約85%省エネでき、約40倍長持ちするとされています。省エネ性能に優れた製品に取り替え、点灯時間を短くするように心がけると、以下のように節約できます。
電球形LEDランプに取り替える
54Wの白熱電球から9Wの電球形LEDランプに交換(年間2,000時間使用想定)
年間で電気90.00kWhの省エネ、CO2削減量43.9kg、約2,790円の節約
点灯時間を短くする
9Wの電球形LEDランプ1灯の点灯時間を1日1時間短縮した場合
年間で電気3.29kWhの省エネ、CO2削減量1.6kg、約100円の節約
LEDはどのくらいで元が取れる?
一般的に、一般電球よりもLEDランプの方が価格は高いため、「どのくらいで元が取れるのか」は気になるポイントではないでしょうか。環境省「COOL CHOICE」によると、以下の条件なら電球形LEDランプは元を取れるまで約9ヶ月(1,500時間程度)とされています。
・購入価格例:一般電球100円、電球形LEDランプ2,000円
・消費電力:一般電球54W、電球形LEDランプ8W
・電気代:電力量1kWhあたり27円(税込)
LEDランプは一般電球の約20倍の価格で販売されているため、高く感じるかもしれません。しかし、消費電力で約85%の省エネができ、寿命が約40倍のため、約9ヶ月使用すればコストが逆転します。そのため、トータルコストでお得になるでしょう。
LEDに変えるメリット
LEDに切り替えると、電気代の他にも以下のようなメリットがあります。
交換の手間が少ない
LEDは長寿命で長期間使用できるため、交換の手間が少なく済みます。同じ明るさの電球を比較すると、白熱電球の寿命は約1,000時間ですが、LED電球は約40,000時間であり、40倍も長持ちします。天井などの高い部分は交換するのが大変なため、特に手間を減らせるLEDはおすすめです。
火事ややけどの危険性が低い
LEDは一般的にあまり熱を発しません。そのため、火事ややけどの危険性が少なくなります。また電球そのものも衝撃に強く、壊れにくいので、交換時も安心です。
紫外線を発しない
LEDは紫外線を発しないため、虫が集まってきません。さらに写真や壁紙などが、色あせしにくいというメリットもあります。
破棄が容易で環境にやさしい
従来の蛍光灯などは水銀や鉛、カドミウムなどが使われており、処理に手間がかるうえに、環境破壊に関して問題視されていました。それに対してLEDには有害な成分が含まれていないため、不燃ごみでの廃棄が可能です(地域によって廃棄ルールは異なります)。
LED電球への交換も検討してみよう
LED電球は価格が高いため、一見するとそんなにお得ではないようにみえます。しかし、LEDは長寿命で消費電力も低いため、ほぼ同じ明るさの一般電球と比較すると約85%も節約できます。経済産業省の「省エネポータルサイト」でも照明に関しての省エネ行動などが記載されています。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
参考:経済産業省「省エネポータルサイト-照明-」