1年最後の日として、古くから日本人の間で大切にされている「大晦日」。
年越しそばや除夜の鐘など、伝統的な習わしも多い1日ですね。
今回は、大晦日の由来や、過ごし方を紹介します!
大晦日の始まりは平安時代
大晦日は、平安時代から始まったとされています。
当時、新年には穀物の実りをもたらしてくれる歳神様を迎えるために、各家庭で家にこもって夜通しで歳籠りをするのが一般的とされていました。
これが、大晦日の起源です。
ちなみに、晦日という言葉は、12月に限らず毎月末日に使われます。
「晦」という漢字には「月が隠れる日」という意味もあるため、毎月の最終日を晦日、1年を締めくくる12月の末日を「大晦日」と呼ぶようになったのです。
大晦日に欠かせない「除夜の鐘」
大晦日と言えば「除夜の鐘」を思い浮かべる人も多いと思います。
大晦日から元日をまたいで撞かれる108回の鐘は、本来は大晦日に107回撞き、最後の1回は新しい年を迎えてから撞くものとされていました。
最近では、参拝客に撞かせてくれる寺院もあり、全員が撞けるようにと108回以上鳴らされることもあります。
鐘は仏具の「梵鐘(ぼんしょう)」と呼ばれるもので、美しく澄んだ鐘の音は人々の悩みや苦しみ、迷いを打ち切るものとされているそうです。
「新たな気持ちで新年を迎えたい」と、年越しに寺院へ出かけて、除夜の鐘を撞くという人もいると思いますが、寺院によっては、鐘つき料や整理券などが必要なこともあります。
行く前には、必ず確認してくださいね。
細く長いそばに願いを込める「年越しそば」
大晦日を語るうえで欠かせない年越しそばは、江戸時代から食べられるようになりました。
細く長いそばに長寿や健康を願い、食されてきたのです。
また、切れやすいそばには「今年の災厄を断ち切る」という願いも込められています。
知られているようで実は知られていないのが、年越しそばを食べるタイミングです。
年越しそばという名前から、年をまたいで食べるという人も多いかもしれませんが、実は今年の災厄を翌年に持ち越さないために、除夜の鐘が鳴り始める前に食べ終わるほうがよいとされています。
ですから、大晦日の夕食に年越しそばを食べるのもいいですし、23時過ぎからお夜食的に食べるのもいいでしょう。
こたつでテレビ派?二年参り派?大晦日の過ごし方
大晦日は、どのような過ごし方をするのがいいのでしょうか。
大晦日のテレビ番組を観る
家族みんなで、大晦日のテレビ番組を観るというのも、大晦日らしい過ごし方です。 こたつでミカンを食べながら、ゆっくりとおしゃべりしつつ、年末の特別番組を鑑賞するのもいいでしょう。
二年参りに行く
二年参りとは、初詣の形式のひとつです。
大晦日の深夜0時をまたいで、お参りをすることを二年参りと言います。
二年参りをする場合、神社や寺院で新年を迎えることになりますね。
特別感のあるお正月の過ごし方と言えるでしょう。
入浴
大晦日の夜に入浴することを「年の湯」と言います。
大晦日のお風呂は、ゆっくりと時間を設けて、1年の垢をしっかり落とすのがおすすめです。
大晦日の日にしてはいけないこと
大晦日の日に、してはいけない行為があるのを知っていますか?
正月の飾りつけをする
大晦日に門松やしめ縄、松飾りなどの正月飾りを飾るのはNGです。
これは「一夜飾り」と呼ばれるもので、歳神様を迎える準備を簡単に済ませる姿勢の表れとされ、神様に対して失礼な行為とされています。
正月飾りは、12月28日までに飾るようにしましょう。
29日は「二重苦」という発音になるため避けるべきとされており、30日は旧暦の大晦日に該当するため、一夜飾りと考える地方もあるため、避けたほうがよいとされているのです。
歳神様を迎える大切な準備ですから、できるだけ早めに正月飾りを用意するようにしましょう。
大掃除
すっきりとした部屋で新年を迎えるために、大掃除をする人も多いでしょう。
確かに、新しい年を迎えるにあたって、日常的には掃除ができない細かな場所などの掃除や、断捨離などをしておくと、気持ちよく新年が迎えられますね。
ただし、歳神様をお迎えする日に大掃除をするのは慌ただしいため、避けたほうがよいとされています。
12月に入ったら、計画的に大掃除を進めておきましょう。
ちなみに、1月1日に掃除をすると、せっかく来てくださった歳神様を追い出すことになってしまうので、こちらも避けたほうがいいと言い伝えられています。
新しい年を迎える最終仕上げを大晦日で整えよう
大晦日は、できるだけゆっくり過ごせるように、おせちの支度以外は終わらせておくつもりで準備を整えましょう。
あとは簡単に、拭き納め(掃除納め)などをして、ゆっくりと家族で大晦日を楽しんでくださいね。