「タイパ」とは、タイムパフォーマンスのことを意味します。
ある物事に使った時間に対して、どのくらいの効果・価値があるかを表現する言葉です。
実は、タイムパフォーマンスはビジネスの観点でも重要視されており、タイムパフォーマンスの改善に取り組む企業が増えつつあります。
今回は「タイパ」という言葉が誕生した背景や、具体的な活用術を解説します。
「タイパ」とは「時間対効果」
タイパは、かかった時間に対する効果や価値を表す言葉で、「生産性」や「効率」などと言い換えることができます。
例えば動画を視聴しながら料理をしたり、食器を洗ったりするなど、同じ時間で同時に2つの物事を行う「動画のながら見」などは、タイパを求めた行動の代表的なものといえるでしょう。
動画の倍速視聴や、ドラマなどのショートバージョンを見てあらすじを把握し、満足するのも、タイパ重視の行動です。
タイパで生まれる「可処分時間の向上」
タイパを重視した生活ではロスタイムを減らせるため、家事や仕事、勉強など以外で、自分が自由に使える時間を増やすことが可能になります。
タイパ重視の生活をすることで時間的余裕が生まれるので、自分が大切だと思うことにさらに多くの時間を費やせるようになるのです。
忙しい現代人にとって、タイパを重視した暮らしは、大変重要なこととなっています。
タイパが重視されるようになった背景
タイパが重視されるようになった背景には、IT化が進み、さまざまな方法で、簡単に情報収集できるようになったというのも一つの要因です。
何かを知りたいと思ったときに、検索エンジンを使ってキーワードを入力すれば、たくさんの検索結果が表示されます。
そのなかから自分が求めている情報を取捨選択することを、誰もが日常的に行っているでしょう。
効率よく、知りたい情報を調べられる環境が整っているため、デジタルネイティブでありZ世代と呼ばれる10代から20代を中心に、タイパは非常に重視されるようになったのです。
タイパを重視しすぎることでデメリットも
タイパを求め、結果を出すことにばかり注目してしまった結果、そのプロセスを楽しめなくなることもあります。
また、結果を求めすぎる傾向も出てくるため、本来であればプロセスを楽しむ場面や、遠回りをしても大きな成長につながるはずの経験に気づかず、通り過ぎてしまうこともあるでしょう。
「タイパ」と「コスパ」は意味が違う
「タイパ」によく似た言葉として「コスパ」があります。
「タイパ」は先ほども述べた通り「時間対効果」を意味しますが、「コスパ」は「費用対効果」を意味します。
「コスパ」は「費用対効果」
コスパは、以前から私たちの生活でよく使われている言葉で、コストパフォーマンス、つまりかけたお金に対して、どのくらいの価値や効果があったかを表す言葉です。
費用に対して、高い効果が得られることを「コスパが高い」といいます。
「コスパ」という言葉を「安い」という意味と勘違いするケースもあるようですが、コスパはあくまで費用対効果を意味しますから「コスパがいい」とはいっても「コスパが安い」という表現は使いません。
日常生活のなかにある「タイパ術」
それでは、日常生活に取り入れやすいタイパ術には、どのようなものがあるのでしょうか。
- 重たいものや消耗品の購入にネット通販を活用
- ミールキットを使用した食事作り
- 食器洗い乾燥機やお掃除ロボットを活用した日々の清掃
- 電子書籍を使った隙間時間読書
- 移動が楽で運転も必要ないバスツアー旅
どのようなタイパ術を実践するかは、自分が何を大切にしているかによって変わります。
例えば、買い物が好きで、自分で新鮮な食材を選びたい人にとっては、ネット通販よりも買い物に行くことに価値を見出すでしょう。
料理が好きなら、ミールキットではなく自分で献立から考えて、買い物をして、料理をすることに喜びを感じます。
時間がかかっても、自分にとってそれが幸せなら、無駄な時間とはならないのです。
タイパのよい暮らしとは、自分が不必要に感じる時間を楽しめるように工夫したり、活用したりする暮らしです。
食器洗いや掃除、入浴などの時間に好きな映画や動画を鑑賞しながらこなすことで、したいこととやるべきことを両立した、充実した時間を過ごすことができる――これが、タイパのよい暮らしなのです。
