教えて、りみまる!夏の到来を感じさせる「夏至」、その由来や過ごし方とは

教えて、りみまる!夏の到来を感じさせる「夏至」、その由来や過ごし方とは
だんだんと日が長くなってきたなぁ
日が長くなると、夏が近づいてきた感じがして、うきうきするよね!
わかる!なんとなく楽しい気持ちになるよね。日が一番長い日を『夏至』というんだよ

気温が少しずつ上がり始め、本格的な夏の到来を感じる季節ですね。
夏至(げし)は「日長きこと至(きわま)る」という意味がある日で、北半球において1年でもっとも昼の時間が長い日です。
北半球にある日本でも、2023年は6月21日(水)に夏至を迎えました。
国立天文台によると、夏至の日の東京の日の出は4時25分、日の入りは19時となっています。

世界における夏至とは?

世界における夏至とはどのような日なのでしょうか。

北半球の夏至を迎えるころ、北極圏では太陽が24時間沈まない「白夜(びゃくや)」と呼ばれる日が続きます。
白夜は、1日限りの夏至とは違い、1か月半近く続きます。
逆に、南極圏では、1日中太陽が昇らない「極夜(きょくや)」となります。
こちらも1か月半程度、継続して起こる現象です。

では、南半球はどうなるのでしょうか。
南半球は、北半球の夏至の時期に冬至を迎えます
冬至は、太陽が出ている時間が1年で一番短い時期です。
北半球と南半球は季節が逆となりますから、北半球が夏至を迎えるころに、南半球は冬至を迎えることになります。

夏至には何をする?

夏至は古代中国で作られた古い暦『二十四節気』のひとつで、1年を24個の季節に分けて表したものです。
二十四節気には、冬至や春分、秋分も含まれているのですが、冬至にはゆず湯に入ってかぼちゃを食べたり、春分や秋分の日にはお墓参りに行っておはぎをいただいたりと、それぞれの過ごし方があります。
では、夏至には何をするのでしょうか。

夏至は、田植えに忙しい時期だったこともあり、特別に何かをするといった風習はあまりありません。

農民たちへの教えとして「夏至のころ、半夏生(はんげしょう)まで」という言葉があります。
この言葉からもわかるように、昭和30年ごろまでは夏至を過ぎると半夏生という、夏至から数えて11日目の7月2日から七夕までの5日間のうちに田植えをするというのが一般的でした。
夏至の時期は、農家にとっては繁忙期だったのですね。

ただ、忙しい夏至の時期にも「夏至らしい食べ物をいただく」という風習はありました。

  • 冬瓜

夏野菜である冬瓜は、夏バテを予防する「ビタミンC」や「カリウム」が豊富に含まれていることから、本格的な夏を迎える前、夏至の季節に食べられていました。
水分たっぷりの冬瓜は、水分補給にも適していますね。

  • 新小麦を使った小麦餅

関東地方では二毛作を行う農家が多かったため、田植えのころは、ちょうど新小麦の刈り入れ時期とも重なっていました。
このことから、刈り入れたばかりの新小麦ともち米を半分ずつ混ぜて「小麦餅」を作り、神様にお供えするようになったといいます。
「餅のように、何事も粘り強く」という意味の込められた小麦餅は、当時の農家には欠かせない季節の食べ物でした。

  • タコ

タコは、筋肉や脳、神経や目などの細胞活動をサポートするアミノ酸の一種「タウリン」が豊富な食品です。
田植えの時期と重なる夏至にタコを食べることで「稲の音がタコの8本足のように、しっかりと深く根を張りますように」「タコの足のように、たくさんの稲穂が収穫できますように」と願いを込めて食べる習わしができたそうです。
ちなみに、タコを食べる風習があるのは関西地方となっています。

日本の夏至のお祭りとは?

夏至には、その時期ならではの食べ物をいただくんだね
夏至って、祝日でもないし、カレンダーに印字されているのは見たことがあるけれど、どうやって過ごすかはあまり知らなかったな
確かにそうだね。昔から田植えに忙しい時期だったから、あまり大々的なお祭りもあまりなかったみたいだよ

日本で一番有名な夏至祭「二見興玉神社」の夏至祭り

農民たちの繁忙期と重なる夏至には、あまり大きなお祭りは行われていません。
そのような中でも、三重県にある二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)で行われる「夏至祭」は有名です。
二見興玉神社は、夫婦岩で知られる神社です。
この夫婦岩の間から昇る朝日を見られるのは夏至前後の数日のみとあって、その姿を一目見ようと多くの人が訪れるお祭りとなっています。

夏至祭は早朝3時30分から祭典が始まり、早朝にも関わらず全国からたくさんの参拝者が集まります。
夫婦岩の間から昇る太陽は、遠くに見える富士山の山頂のシルエットとも重なり、この世のものとは思えないほど幻想的な景色を楽しむことができると評判です。

短い夏の夜を楽しむ日本人の「心」は今も昔も変わらない

夜の長さは、季節とともに変化します。
昔の人たちは、夜の時間が季節の移ろいとともに変わっていくことに風情を感じ、夏の短い夜のことを「短夜(みじかよ)」と呼び、楽しんできました。
短夜という言葉は、夏の季語としても使われるほど、人々の暮らしの一部として親しまれています。

平安時代は短夜に貴族たちが蛍狩りを楽しんでいたように、今でもキャンドルライトなどで夜を過ごすイベントが開催されることも多いようです。
夏の夜、なんとなくワクワクした気持ちになるのは、今も昔も変わらないのですね。

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