近年では、再生可能エネルギーなど環境負荷を抑える発電方法が注目されています。その中でも自家消費型太陽光発電は、電気代の削減や災害時の対策など、さまざまなメリットがあります。本記事では、自家消費型太陽光発電の仕組みや種類、メリット・デメリット、導入の際の注意点についてご紹介します。
自家消費型太陽光発電の概要
自家消費型太陽光発電とは、敷地内にソーラーパネルを設置し、発電された電気を自家消費することを指します。個人や企業が所有する建物や空きスペースで太陽光発電を行い、売電をせずに自宅や会社内で電力を使います。自分たちで発電した電気を使用することで、電力会社から購入する電気を減らせます。
自家消費型には「全量自家消費型」と「余剰売電型」があります。「全量自家消費型」はつくった電気をすべて自家消費するのに対し、「余剰売電型」は、自家消費しきれず、使い切れなかった電気を電力会社へ売ることができます。電気料金の上昇や売電単価の低下などの要因から自家消費型が特に注目されています。
自家消費型太陽光発電が注目されるのはなぜ?
近年、自家消費型太陽光発電が注目されているのは、エネルギーに関する3つの課題が解決できるためとされています。企業が抱えるとされる3つの課題は以下です。
- 電気料金の急激な高騰
- CO2削減への対策
- 自然災害に備えるための非常用電源の必要性
自家消費型太陽光発電は、エネルギーを自家発電・自家消費するため、電力供給を外部に頼りません。そのため、上記の3つの課題を一気に解決できる方法として注目されています。
自家消費型太陽光発電のメリット
ここでは自家消費型太陽光発電のメリットについてご紹介します。
電気代の削減につながる
自家消費型太陽光発電を導入すれば、電気代の削減につながります。2021年後半ごろから、多くの電力会社で電気代が値上がりしています。これは、天然ガスや石炭などの燃料が不足し、価格が高騰しているためとされています。
電気代は、原油価格やLNG価格などの平均燃料価格を基に計算される「燃料費調整額」が加算されます。この基準値より燃料価格が高くなれば、電気代に加算され、安ければ減算されます。
エネルギー資源価格が高騰していることで燃料費調整額が上がり、それが電気代の値上げにつながっています。電力の自家消費ができれば、値上がりを続ける電力を買う必要がありません。さらに、余剰分を売電すれば収入も期待できます。
非常用電源として使用できる
自家消費型太陽光発電は、地震や台風などの自然災害時の非常用電源としても使用できます。日本は地震や台風による被害が毎年発生していることから、災害時の分散型電力が注目されています。自家消費型太陽光発電は、天候や時間帯によって制約は受けますが、停電時でも電力を確保することができます。このため、非常用電源として導入する方が増えています。
自家消費型太陽光発電のデメリット
メリットの多い自家消費型太陽光発電ですが、デメリットも知っておきましょう。
初期費用が必要
自家消費型太陽光発電は、設置に高額な初期費用がかかります。主に以下の設備の設置が必要です。
・ソーラーパネル
・分電盤
・パワーコンディショナー
・接続箱
・配線
さらに、工事費用や設計費なども必要な場合があります。そのため、まずは見積もりを取ってから検討することをおすすめします。
設置スペースが必要
自家消費をまかなうだけの発電を行うためには、相当の発電パネルを設置しなくてはいけません。そのため、設備を設置できるだけのスペースを用意する必要があります。太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの太陽光発電設備をはじめ、全量自家消費を検討であれば、蓄電池などの関連設備の配置も考えなくてはなりません。機器を稼働するための環境に合ったスペースが確保できるかをよく確認しましょう。
蓄電池を設置する場合は、低温や高温になりすぎず、結露しない場所が望ましいとされているため、スペースに加え推奨される設置条件もあるという点は留意しておきましょう。
自家消費型太陽光発電を利用する際の注意点
自家消費型太陽光発電を利用する際は以下の点に注意しましょう。
悪天候時や夜間は発電できない
太陽光発電は太陽の光エネルギーを元に発電しているため、天候の影響を強く受けます。そのため、曇り、雨、雪の日などは発電量が落ちます。また、夜間も発電できません。
ソーラーパネルには寿命がある
一般的に、太陽光発電に使用されるソーラーパネルは、製品寿命が約25~30年とされています。そのため、寿命がきたソーラーパネルを廃棄する時のことも考えなくてはいけません。
しかし、太陽光パネルは可動する部分が少なく、多少の経年劣化はあるものの故障するトラブルが起こりにくいという特徴があります。快適に太陽光発電の設備を使用するにために、定期的なメンテナンスが大切です。
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たとえば、電力取引価格が高い平日の夕方には太陽発電で発電した電気を使えば、電気代を抑えられます。電気代を節約したいと考えている方は、Styleプラスを検討してみてはいかがでしょうか。
自家消費型太陽光発電について知ろう
自家消費型太陽光発電は、エネルギーに関する課題を解決できたり、電気代を節約できたりなど、さまざまなメリットがあります。ただし、導入や維持にはコストがかかりますので、仕組みやメリット・デメリットをよく理解し、導入するかどうか検討する必要があるでしょう。また、同時に電気料金プランを変更して電気代を抑えたい場合は、市場連動型プランも検討してみてはいかがでしょうか。