電力会社はさまざまな電気料金プランを提供しています。そのため、自身のライフスタイルに合ったプランに切り替えれば、電気代の節約につながる可能性があります。深夜電力は、夜間に電気を使う人におすすめのプランです。切り替えると、具体的にどのくらい電気代を節約できるのでしょうか?本記事では、深夜電力の概要や、深夜電力がおすすめの人、深夜電力で節約できる電気代の目安についてご紹介します。
深夜電力とは
深夜電力とは、電力需要の少ない深夜帯の電気料金が安く設定されているプランです。夜間などの電力消費の少ない時間帯に、積極的に電力を利用してもらうための仕組みとして作られました。
昼間は電力需要が多く、電力会社は発電設備をフル稼働させています。一方で、夜間は電力需要が少なく、発電所の能力に余剰が出ます。時間帯によって異なる電力需要を平準化するために導入された深夜電力は、夜間の電力需要を増やすことで、発電設備の稼働率を上げ、コストを削減することが可能になります。
深夜電力の割引率は電力会社や地域によって異なりますが、一般的に10~20%の割引が適用されます。
深夜電力を利用する方法
深夜電力を利用するには、深夜電力プランに加入する必要があります。深夜電力プランは、電力会社によってさまざまなプランが用意されているので、自分のライフスタイルに合ったプランを選ぶことが大切です。
大手電力会社の深夜電力プラン
大手電力会社が提供している深夜電力プランの電力量料金(従量料金)では、以下が挙げられます。
電力会社 | プラン名 | 電気料金が安い時間帯 | 電力量料金 (1kWh) |
東京電力 | 夜トク8(エイト) | 23時~翌7時 | 31.84円 |
関西電力 | eスマート10 | 22時~翌8時 | 15.53円 |
中部電力 | スマートライフプラン(夜とく) | 21 時~翌7 時 | 16.63円 |
北陸電力 | くつろぎナイト12 | 20時~翌8時 | 26.98円 |
東北電力 | よりそう+ナイト&ホリデー | 22時~翌8時 | 27.32円 |
中国電力 | ナイトホリデーコース | 21時~翌9時 | 34.55円 |
四国電力 | 時間帯別eプラン | 23時~翌7時 | 25.80円 |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト21 | 21時~翌7時 | 14.48円 |
※2023年7月時点でのプランと単価になります。
実際に節約できる電気代
深夜電力プランを使うと、どのくらい電気代が節約できるのか、関西電力を例にご紹介します。
従量電灯B(24時間)
電力使用量 | 電力量料金(1kWh) |
最初の120kWhまで(第1段階料金) | 17.91円 |
120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金) | 21.12円 |
300kWh超過分(第3段階料金) | 23.63円 |
eスマート10(22時~翌8時)
電力量料金(1kWh) | |
平日13時~16時 | 38.53円 |
8時~22時(夏季) | 30.11円 |
8時~22時(その他の季節) | 27.36円 |
22時~翌8時 | 15.53円 |
深夜電力は、夜間の電力量料金が割安に設定されています。そのため、日中は仕事などでほとんど家にいない単身者など、夜間を中心に電気を利用する方はお得になるでしょう。ただし、使用量が少なかったり、昼間にも使ったりする方は、深夜電力に変えると割高になる可能性があるので注意しましょう。
深夜電力がおすすめの人
深夜電力は以下のような人におすすめです。
・夜型の生活をしている人
・家電を夜間に使用することが多く、電気代を節約したい人
・蓄電池を導入している人
深夜電力は、主に夜間に電気を使用しており、電気代を節約したい人におすすめです。さらに、蓄電池を導入している家庭にも相性の良いプランです。電気料金が安い夜間の間に蓄電池に電力を溜めておき、電気料金の高い昼間に蓄電池の電力を使うようにすれば、電気代を抑えることができるでしょう。
市場連動型プラン「Styleプラス」もおすすめ
深夜電力は夜間を中心に電気を使う人にはおすすめのプランですが、深夜に家事をしたり、家電を使ったりするのは難しい人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめなのが、市場連動型プランの「Styleプラス」です。
市場連動型プラン「Styleプラス」は、基本料金0円(動力契約以外)で利用できるプランです。Styleプラスは、30分ごとに変動する日本卸電力取引所(JEPX)の電力取引価格に連動しています。そのため、市場価格が安い時間帯に電気を使えば、1日の使用量はそのままに、電気代を節約できます。たとえば、電力取引価格が高い平日の夕方を避けて夕ご飯を作れば、電気代を抑えられます。電気代を節約したいと考えている方は、ぜひ市場連動型プランの「Styleプラス」を検討してみてはいかがでしょうか。
※ 市場からの電源調達料金の他、託送料金およびサービス料金を含む「固定従量料金」がかかります。
深夜電力について知ろう
深夜電力は、電力需要の少ない夜間の電力料金を割安に設定しているプランです。夜間に電気を使うことが多い人や蓄電池を導入している家庭なら、深夜電力の方が電気代を節約できる可能性があります。ただし、昼間にも電気を使う人や夜間に家事をするのは難しい人の場合、割高になる可能性もあります。その場合は、市場価格によって電気料金が変動する「市場連動型プラン」も検討してみてはいかがでしょうか。