毎日なんとなく使ってしまう水や電気、ガスは無料ではありません。特に水は有限で貴重な資源なのでなるべくムダはなくして必要なだけ使用することが大切です。 毎日の暮らしの中で節水を心がけることにより、水道費を抑えられるだけではなく、持続可能な社会への行動にも繋がっていきます。では、具体的にどうすれば良いのか、何を目標にしていけば良いのかを考えてみましょう。
水道費の平均値と簡単な節水方法
節水の前に知っておきたいのが、水道費の平均値です。水道費は地域によって差があるため一概にはいえませんが、水道費が平均値よりも上回っているならば節水を考え、まずは平均値にまで下がるように目標を定めてみましょう。
2019年版総務省の家計調査による月々の平均水道費は以下の通りです。
- 単身世帯:2,120円
- 2人世帯:3,981円
- 3人世帯:5,045円
- 4人世帯:5,894円
これからわかることは、水道費の1人当たりの平均値が1,500円前後ということです。ここからさらに節水をするとなると、どうすれば良いのでしょうか。
水道費の使用量と地域別金額の平均を計算すると、水は1リットルあたり約0.24円です。
水道を30秒流しっぱなしにすると約6リットルの水を浪費してしまうので、約1.4円の出費です。
このような水道費を抑えるためには、水道局のホームページで公開されているようにこまめな蛇口の開閉や、歯磨きのときにコップを使うこと、お風呂の水を再利用することなどがあげられます。これ以外にも節水シャワーヘッドの利用などがあげられますので、お風呂やトイレなどの場所別にできる節水方法を確認していきましょう。
お風呂での節水方法
東京都水道局の「平成27年度 一般家庭水使用目的別実態調査」によると、一般家庭で使われる水の内訳は「風呂40%、トイレ21%、炊事18%、洗濯15%、洗面・その他6%」となっており、お風呂がダントツの1位です。
お風呂はシャワーだけで済ませる方もいらっしゃいますが、実はシャワーを1分使うだけで約12リットルも水を消費しています。1分あたり2.9円ということは、1時間で約174円の浪費です。そのためシャワーはなるべくこまめに締めるようにしましょう。ここに節水への近道があります。
シャワーの水が温かくなるまで洗面器やバケツに溜めておく
シャワーの水が温かくなるまで流しっぱなしにしていませんか?水が温かくなるまで洗面器やバケツに水を入れておけば、お風呂掃除や洗濯に利用できます。またお風呂の残り湯も洗濯や掃除、散水に使うことも出来ます。
体を流す手順をひとまとめにする
顔や体、髪の毛を洗うごとにシャワーで流しているならば、髪、体、顔の順番で洗えば一気に流すことができます。寒い場合はお風呂の暖房を使うなどして、温度調整をしてみてください。
トイレでの節水方法
トイレはメーカーやタイプ、生産時期によって必要な水の量が違います。そのうえ、トイレの回数が人それぞれのため、使用量の平均値を示すことは難しいです。
そこで、2020年4月現在の世界各国の洗浄水量規制を見ると、1回に流す水の量は6リットルまでという国が多いことがわかります。これは水不足の影響からくる数字ですが、1回6リットルを1日4回使ったとすると、12リットルの消費です。金額にすると2.88円ですが、これを4人家族のひと月分の金額にすると346円となります。1年で4,000円を超える金額をトイレだけに支払っていると考えると、決して安い数字ではないため、トイレではタンクにペットボトルやレンガなどを入れる節水術が人気です。
しかし、タンクに物を入れる方法はおすすめできません。なぜなら、トイレットペーパーや汚物が流しきれず、つまりを引き起こす可能性が否めないうえ、部品の多いタンクで接触不良などの故障を引き起こしがちだからです。そこで、トイレの節水は以下の3つをおすすめします。
節水型の最新式トイレに変える
古いタイプのトイレは節水に不向きです。1976年製のトイレの大洗浄1回の水の使用量は13リットルですが、1994年製のトイレは10リットル、1999年製なら8リットルというように、新しいトイレほどどんどん節水になっていきます。近年のトイレは5リットル以下に抑えられているものもあるため、できるだけ検討してみてください。
トイレは外出先で済ませる
一番簡単な方法が外出先でトイレを済ませてきてしまうことです。近年のトイレでだいたい6リットルほどの水を使うと考えると、約1.4円の出費が抑えられます。仕事や病院、買い物などで外に出る方ならば誰にでもできることなので、なるべく帰宅する前に済ませてしまうのも良いかもしれません。
2度流しを避け、大小のボタンを使い分ける
最後におすすめするのが、2度流しを避け、大小のボタンを使い分けることです。前述の通り1回のトイレで6リットル程の水を使用することを考えると、2回流してしまうのはもったいないです。トイレットペーパーをシングルに変えるだけで流すものの量が減ります。それに加えて大小のボタンをきちんと使い分けると約1リットルの水が節約できるので、期待できるでしょう。
その他の節水方法
一般家庭で使われる水の内訳は風呂40%、トイレ21%で半分以上を占めますが、その他の場所での節水も重要です。
台所での節水方法
炊事は水の出を調節して、野菜や食器は「ため洗い」するようにしましょう。また、「節水コマ」や「節水アダプター」などの節水グッズを使って水の量を減らす方法もあります。
洗濯での節水方法
お風呂の残り湯を選択に使う方法が一般的ですが、最新式の洗濯乾燥機では一回の洗濯に使用する水量は約80リットルで、旧機種と比較すると約60パーセント減というデータもあります。最新式の洗濯機への買い替えも効率的な方法でしょう。
さらなる節約は固定費全般の見直しを
水道費はもともと高額なわけではないため、ご家庭によっては節約をしてもわかりにくい場合があるかもしれません。そこでおすすめなのが、水道費だけではなく、ガスや電気も含めて固定費を節約することです。トイレの蓋を必ず閉めるだけでも、暖房便座の節電になりますし、夏季は電源を切っておくとなお、節電効果が期待できます。
そして、電気代やガス代のプランや電力会社を見直すだけで、固定費そのものを下げることが可能な場合があります。まず電気代を節約したいという方は、新電力会社のプランを確認してみてください。中には、クレジットカード払いなどにするとたくさんのポイントが付くこともあり、さらにお得になります。インターネット上で簡単に料金シミュレーションが出来るため、ぜひ固定費の削減を考えている方は参考にしてみてください。
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