電力自由化によって電力会社が自由に選べるようになってから、多くの会社が新電力として業界に参入しています。現在、大手電力会社から新電力への切り替えを検討しているという人も多いことでしょう。そこで、ここでは新電力の概要やメリット・デメリットについてまとめました。新電力に興味があるという人は、ぜひ参考にしてください。
新電力とは?
従来は、北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の大手電力会社10社が電力市場を独占していました。しかし、この状況を改善するため日本政府は2000年から段階的に規制緩和を行ってきました。そして、2016年4月には電力小売り全面自由化が実現し、企業のみならず一般家庭でも大手電力会社以外から電気を購入できるようになりました。
この規制緩和に伴い、ソフトバンクやジェイコム、東京ガス、東急などをはじめとした多くの会社が新電力として電気の小売り事業に参入しています。2020年現在、小売電気事業者として登録されている新電力会社は600社以上に上ります。私たちは、自宅や職場で使う電気を、これらの新電力を含めた電力会社の中から自由に選択することができるのです。実際に、一般家庭の5件に1件(約20%)は大手電力会社から新電力へ切り替え(スイッチングといいます)済みとなっています。
新電力のメリット
今の電力会社から新電力に切り替えるかどうか悩んでいる人は多いのではないでしょうか?まずは、新電力のメリットについて見ていきましょう!
電気料金が安くなる
ほとんどの新電力では大手電力会社よりも安い料金プランを提供しているため、新電力に切り替えることで電気料金が安くなります。プランにも多くの種類があり、一律で電気料金が安くなるプランや、電気の使用量が多いほど割引率が高くなるプランなどがあります。世帯人数やライフスタイルに合わせて選ぶことで、大幅に電気料金を節約できるといえるでしょう。
セット割りやポイントサービスがある
電気とガス、電気とガソリン、電気と携帯電話など、セット割を用意している新電力は少なくありません。まとめて契約することで、トータルの料金を安くすることができます。また、電気料金の支払い額に応じたポイントを付与している新電力もありますので、それらを組み合わせることでさらにお得になるでしょう。
環境に優しい会社を選べる
新電力の中には、太陽光発電や風力発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーを積極的に調達・販売しているところもあります。また、電気料金の一部を環境保護活動への募金に充てている新電力もあります。環境問題に関心がある人は、そういった環境に優しい新電力を選んでみるのも一つです。
停電する可能性は大手10社と同じ
「新電力は大手電力会社に比べて停電の可能性が高いのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、結論からいうと、停電する可能性は新電力でも大手電力会社でも変わりません。これは、電力会社が違っても電気を各地に届けるインフラ(送配電網)は大手電力会社の送配電部門が引き続き保守、メンテナンスを担っているからです。新電力を利用するにあたって、停電について心配する必要はほぼありません。
新電力のデメリット
前述の通り新電力は電気代を安くしたい、環境に優しい電気を使いたい、という方にはおすすめの電力ですが、少しですがデメリットもあります。ご自身の使用状況に合わないサービスやプランを選んでしまわないように、切り替えを検討する際にはデメリットもきちんと把握しておきましょう。
切り替えのための手続きが必要
政府から認可を受けた新電力は、前述の通り、2020年現在で600社以上に上ります。電力会社を切り替える際には、多くの新電力の情報を集めて比較検討しなければいけません。その後は契約のための手続きも必要なため、ある程度の時間と手間がかかります。新電力によっては面倒な手続きや工事が不要なところもあるので、できるだけ簡単に切り替えたいという人は、こういった新電力を探してみましょう。
違約金が発生する可能性がある
少数派ではあるものの、違約金が発生する可能性のある新電力もあります。特に長期契約することで電気料金が安くなる新電力は、予定よりも早く解約することで違約金が課される恐れがあるので要注意です。契約前に、違約金や解約条件について必ず確認しましょう。
スマートメーターの設置にお金がかかる場合も
新電力と契約したら、スマートメーターの設置工事を行う必要があります。スマートメーターの設置工事は原則として無料ですが、外壁や配線に問題がある場合や設置場所を指定する場合などには、別途費用が課される可能性もあります。事前にスマートメーターの設置費用について確認しておきましょう。
メリットがたくさん!
新電力への切り替えを検討してみては?
今回ご紹介したように、利用する新電力によっては利用者にデメリットとなってしまう可能性もありますが、一方で電気代の節約やお得なサービス、環境貢献など多くのメリットがあります。新電力のメリット・デメリットをしっかり理解し、現在の契約内容と照らし合わせながら、ぜひこの機会に、新電力への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか?