保育施設経営者の方の中には、「今よりもコストを削減したい」と考えている方もいらっしゃるはずです。
また、これから保育施設を経営しようと考えている方は、スタート時から低コストで運営したいと考えているかと思います。
そこで今回は、保育施設がコスト削減に取り組む場合のテクニックをご紹介します。併せて保育施設経営にかかる経費の種類も紹介しますので、これから経営を始める方はこちらもぜひ参考にしてください。
保育施設の運営にかかる経費の種類
保育施設の運営にかかる経費の種類は以下の通りです。
一般的な経費の種類
- 人件費・・・保育士に支払うお給料や福利厚生にかかる費用。
- 広告費・・・園児・保育士の募集に必要な費用。Web広告、チラシ印刷代、求人誌などに掲載してもらう費用。
- 賃料・・・保育園の建物や土地を借りている場合にかかる費用。自分で用意した園舎・土地であればかからない。
- 消耗品費・・・園児が遊ぶためのスケッチブックやクレヨンなどの備品や、ケガをしたときのために常備しておく医薬品などにかかる費用。
- 水道光熱費・・・保育施設を運営するにあたって必要な水道代、電気代、ガス代。
- 損害保険、賠償保険料・・・園児の事故に対する保険料。
こちらが保育施設を運営するにあたって必要となる一般的な費用です。広告費については常時募集が必要ではないケースもあるため、時期によっては発生しないこともあります。
賃料や水道光熱費は園舎の規模が大きいほど高い傾向にありますが、園舎・土地を借りていない場合は賃料がかかりません。このように、全体でいくら費用が必要かは保育施設によって差があります。
すぐに試せる!保育施設の固定費のコスト削減のテクニック
先ほど説明した経費は「固定費」、つまり基本的には毎月必要となる費用ですから、コスト削減は難しいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、やり方によってはコスト削減も可能ですので、そのテクニックをいくつかご紹介しましょう。
新しい保育士にかかる人件費を削減
保育施設にとって保育士は必要不可欠ですから、人件費を削減するのは難しいと思うかもしれません。
たしかに必要な人数以下にすると、保育士1人にかかる負担が大きくなってしまうため、今の人数から減らすことで人件費を削減するのは不可能です。
しかし、新しい保育士にかかる人件費は削減できます。人手が必要となったとき、現状の給料ではなかなか人材が集まらないとなると、給料を上げることを考えないといけません。
これでは経費削減どころか固定費は上がってしまうため、もし新しく保育士を募集することになった場合、今の給料でも「働きたい!」と思わせるのが結果的に経費削減につながります。
保育士の募集をかける場合は人件費を上げなくて済むよう、
- 今の保育士の人数では本当に不足しているのか
- 業務が圧迫している時のみ日雇い保育士の募集を検討する
- 給料を上げなくても「働きたい」と思える職場環境を作れているか
この3点を改めて考えてみると良いでしょう。
消耗品費の削減
保育施設の消耗品は毎日のように消費していくため、こちらも一見コスト削減は難しいように感じます。
「折り紙は1日5枚まで」「スケッチブックは1冊で3ヶ月もたせること」など、使う量を制限してしまうと園児のストレスが溜まってしまうのでおすすめできません。
ではどこに注目すべきなのか。それは「購入費用」です。折り紙やスケッチブック、クレヨンなどは100円均一が最も安いイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。
特に一度にたくさん必要となる保育施設は、ネット通販などのまとめ買い割引や業務用のサイトを利用するとコストが削減できる可能性があります。
発注先・購入先は固定にするのではなく、定期的に他に安く買える方法はないか見直すとコスト削減につながるでしょう。
広告費の削減
園児や保育士の募集に必要な広告費は、比較的コスト削減がしやすい費用です。募集をかける際は有料のサービスだけを利用するのではなく、無料で利用できるTwitterやInstagram、FacebookなどのSNSを有効活用してみましょう。
保育施設に関する情報をこまめに発信していけば、雑誌やWebの求人コーナーに掲載しなくてもSNSのみで完結する可能性もあります。
もう一つは、保育士の求人を頻繁に行わなくてもいいよう、保育士のケアに力を入れることです。保育士がすぐに辞めてしまうような状態だと、広告費は毎月のように高くついてしまいます。
すぐに辞めるということは、仕事内容や職場環境などどこかに問題があると考えられます。保育士にとって働きやすい環境を作っていけば、保育士の募集にかかる広告費は削減できるでしょう。
水道光熱費の削減
水道光熱費のうち、水道料金とガス料金は使用量を減らさないと節約できないため、保育施設ではコスト削減は難しいかもしれません。
しかし、電気代であれば電力会社を見直すとコストが削減できる場合があります。一般的に電気料金というと、料金が固定の「基本料金」と使用量によって変動する「従量料金」から決定するので、電気を使うほど電気料金は高くなるのが特徴です。
最近では、従量料金のみで、さらに単価を一律に設定している電力会社もあるので、そのようなところに切り替えればそれだけで電気料金を削減できます。
さらには、比較的低価格なプランを用意している新電力会社への切り替えも、電気代の削減に繋がります。
まとめ
保育施設の固定費はいくつかの種類がありますが、人件費・消耗品費・広告費・水道光熱費はやり方によってはコスト削減ができます。
固定費の中でも、電気料金は今すぐにでも節約できる可能性がありますから、ぜひこの機会に電力会社の切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。