オフィスビルを管理している不動産管理会社では、管理費用の見直しなどを行うこともあるでしょう。その際には、電力会社を新電力会社に切り替えるのがおすすめです。ここでは、オフィスビルで新電力会社への切り替えがおすすめできる理由について解説していきます。
オフィスビルでは高圧電力契約が必要
オフィスビルでは、一般家庭向けの低圧電力契約とは異なり、高圧電力契約を電力会社と契約しています。
高圧電力契約とは
高圧電力契約というのは、電気が6,600Vの状態で送電されるという内容の契約のことです。そのままの状態では使用できないため、キュービクルという変電装置で100Vか200Vに変圧した上で使用します。各テナントには変電済みの電力が送られるため、オフィスの床や壁のコンセントは一般家庭のものと同じように使用できる仕組みです。
また、高圧電力契約の中でも高圧小口と高圧大口、特別高圧に分かれています。比較的小さなオフィスビルなら高圧小口で、中規模のオフィスビルなら高圧大口で契約していることが多く、高層ビルのような大規模なオフィスビルであれば、特別高圧が多いです。それぞれ、使用できる電力量や料金の設定方法が異なります。
一般家庭向けよりも早く自由化されていた
一般家庭向けの電力自由化は2016年に実施され、ニュースなどでも大きく取り上げられたことで話題となりました。しかし、高圧電力契約に関して言えば、実際はそれよりも前に自由化されていました。特別高圧に至っては2000年3月と20年以上も前です。高圧大口が2004年4月、高圧小口は2005年5月に自由化されています。
電力自由化で、今までは電気事業法によって、国が定める一般電気事業者(東京電力、関西電力等)による小売供給の独占が認められていましたが、規制緩和により、他事業者が電力小売へ参入することが可能となりました。
管理会社がビル全体の電気代をまとめて支払っている
オフィスビルのような複数のテナントが入居している建物では、1社で建物全部を使用している場合と、電気代の仕組みがやや異なります。
テナントの場合、ビルの管理会社がビル全体の電気代をまとめて電力会社に支払う仕組みとなっていることもあり、その場合ビルの管理会社は電力の使用量に応じて、各テナントに対し電気代を請求しています。また、廊下や階段などの共用部分にかかる電気代は「管理費用」という扱いです。
そのため、電気代が安くなれば、管理費用も安くなります。オフィスビルで、現在大手電力会社と契約しているのであれば、新電力会社に切り替えるのがおすすめです。
新電力会社と契約するメリット
オフィスビルで電力会社を大手から新電力会社に切り替えることにより、電気代が安くなるのに加えて次のようなメリットもあります。
これまでと変わらない環境で電気を使える
安価なサービスに切り替えることで、品質や安定性などに問題がないのか気になる人も多いでしょう。しかし、電力に関してはどの電力会社でも使用環境に差はありません。新電力会社でも、大手電力会社と同じ環境で電気を使うことができます。
また、電気の供給が不安定になったり停電が増えたりする可能性を疑っている人もいるかもしれません。もし、オフィスビルでそのようなことが起これば大変です。
しかし、新電力会社でも電力供給の安定性は大手電力会社と変わりません。新電力会社にもさまざまありますが、どの新電力会社でも安定的に電力を供給できます。
その理由は、もし契約中の電力会社で電力供給ができない状態になっても、どの電力会社も同じ送電線を使用しているため、大手電力会社など他の電力会社から自動的に電力供給が行われるため、供給停止になる恐れや電力会社による品質の違いなどもありません。
電気料金の支払先を1箇所にまとめられる
大手電力会社の場合には、地域ごとに管轄が決まっています。オフィスビルがある場所と別の地域を管轄している大手電力会社とは、契約することができません。そのため、離れた地域にある複数のオフィスビルを管理している不動産管理会社は、複数の電力会社と契約しています。電気料金の支払先が複数ということで、手間もかかるでしょう。
その点、新電力会社なら地域に関係なく契約できるところが多いです。離れた地域にある複数のオフィスビルでも、同じ電力会社と契約できます。そのため、電気料金の支払先を1箇所にまとめられるのがメリットです。
新設で建てた施設を大手電力会社を通さず、初めから供給契約を受け付けている新電力会社もありますので相談してみると良いでしょう。
プランやサービスが豊富
新電力会社の中では、他社と差別化を図るために特徴のあるプランを設けているところも多いです。例えば、地球環境保護に貢献できる内容のプランを設けているところなどがあります。プランの選択肢が増えることも、新電力会社に切り替えるメリットです。
また、新電力会社の業者が提供している電力以外のサービスも利用すると、割引サービスを受けられるところもあります。主に通信サービスやガスなどのライフラインが多いです。通信サービスなどは、オフィスビルでも必要でしょう。割引サービスを上手に使うことで、さらなるコスト削減につながります。
まとめ
新電力会社では、法人向けの高圧電力契約を扱っているところもあり、大手電力会社よりも安く利用できます。送電の仕組みから、品質や供給の安定性は大手電力会社と差はありません。これまでと全く変わらない環境で電気を使用できるため、オフィスビルの管理コストを削減したいのであれば、新電力会社への切り替えを検討してみましょう。
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