飲食店などを経営する場合、お店の賃料から人件費などさまざまな経費がかかりますが、業務用冷蔵庫の電気代もその一つ。一般の冷蔵庫と違い大型冷蔵庫なので光熱費のなかでも大きな比重がかかります。お店の経営のためにも業務用冷蔵庫も上手に節電したいものです。そこで本記事では業務用冷蔵庫の電気代や節電方法などについて解説します。
業務用冷蔵庫とは
業務用冷蔵庫には大きさ容量はもちろん、縦型やコールドテーブルなどのタイプの違うものがあります。
業務用冷蔵庫の特徴
業務用冷蔵庫は一般の家庭用冷蔵庫に比べて容量が大きいのが最も大きな特徴です。 家庭用冷蔵庫が大きくても500~600リットルであるのに対して業務用冷蔵庫では大きいものなら1,500リットルを超えるものもあります。そのために大量の食材を新鮮なままストックできるわけですが、相応の電気代もかかります。
業務用冷蔵庫の種類
- 縦型冷凍冷蔵庫
最も一般的な業務用冷蔵庫です。2ドアタイプから4ドア、6ドアタイプがあり、容量も店舗の規模に合わせて選ぶことができます。 - コールドテーブル
高さ80センチなど調理台と高さが統一されており、調理台と冷蔵・冷凍庫が合わさった業務用冷蔵庫です。冷蔵庫の上部を調理台などとして利用でき、カウンター下を収納スペースとして利用できるなど調理スペースを効率的に活用できる業務用冷蔵庫です。
個人経営のカフェなど小規模店舗で人気の業務用冷蔵庫といえます。
業務用冷蔵庫の電気代は?
では気になる業務用冷蔵庫の電気代はどの程度になるのでしょうか。業務用厨房機器では、国内有力メーカーであるホシザキの資料から確認してみましょう。
2ドアタイプ | |||
---|---|---|---|
機種名 | HR-63A | HR-63A3 | HR-75A3 |
容量 | 493L | 493L | 616L |
年間消費電力量 | 330kWh/年 | 370kWh/年 | 380kWh/年 |
年間電気代 | 8,910円/年 | 9,990円/年 | 10,260円/年 |
大きさ | 奥行800×高さ1,910(mm) | 奥行800×高さ1,910(mm) | 奥行800×高さ1,910(mm) |
4ドアタイプ | |||
機種名 | HR-90A | HR-90A-ML | HR-120A3-ML |
容量 | 756L | 761L | 1054L |
年間消費電力量 | 380kWh/年 | 420kWh/年 | 500kWh/年 |
年間電気代 | 10,260円/年 | 11,340円/年 | 13,500円/年 |
大きさ | 奥行800×高さ1,910(mm) | 奥行800×高さ1,910(mm) | 奥行800×高さ1,910(mm) |
6ドアタイプ | |||
機種名 | HR-150A-6D | HR-180A3 | HR-180A-ML |
容量 | 1334L | 1627L | 1632L |
年間消費電力量 | 590kWh/年 | 620kWh/年 | 660kWh/年 |
年間電気代 | 15,930円/年 | 16,740円/年 | 17,820円/年 |
大きさ | 奥行800×高さ1,910(mm) | 奥行800×高さ1,910(mm) | 奥行800×高さ1,910(mm) |
出典:ホシザキ株式会社
https://www.hoshizaki.co.jp/p/f-refrigerator/vertical/lineup.html
*電気料金は27円(税込)/1kWhとして算出(全国家庭電気製品公正取引協議会「電気料金新目安単価」)
業務用冷蔵庫の機種にもよりますが、年間でおよそ10,000円~20,000円弱の電気代がかかっていることが分かります。
ちなみに、日本の家電メーカーの家庭用冷蔵冷凍庫と業務用冷蔵冷凍庫を比較すると
- 家庭用冷蔵冷凍庫
NR-E455PX,NR-E455PXL(パナソニック)
容量450L 263kWh/年
年間電気代:7,101円
であるのに対し業務用冷蔵庫では
- 業務用冷凍冷蔵庫
HRF-75AT(ホシザキ株式会社)
容量437L 1,200kWh/年
年間電気代:32,400円
見ての通り同程度の容量であるにもかかわらず業務用冷蔵庫の方が電気代が大幅に高いことがわかります。
*電気料金は27円(税込)/1kWhとして算出(全国家庭電気製品公正取引協議会「電気料金新目安単価」)
業務用冷蔵庫を選ぶ際のポイントは?
業務用冷蔵庫にはさまざまなタイプのものがありますが、長期的に使用するためにも自分の店舗に最適なものを選ぶようにしましょう。
サイズと機能
業務用冷蔵庫を選ぶ際に最も重要なことは必要な食材の量や厨房の規模に合わせた大きさの冷蔵庫を選ぶことです。厨房の規模を考えずに大きめの業務用冷蔵庫を設置してしまうと、冷蔵庫の扉を開けたとき人が通るスペースがなくなるなどの問題が生じ、繁忙時の業務に支障をきたします。
また不必要な機能がついた業務用冷蔵庫を購入したために余計な電気代がかかることもあります。できるだけ節電するためにもお店の規模、必要な食材、使い勝手などを考慮して適切な業務用冷蔵庫を設置しましょう。
コンセントの形状
一般家庭用冷蔵庫の電源は単相100Vです。しかし業務用冷蔵庫の場合は単相100Vと三相200Vの2つのタイプがあり、それぞれ電源プラグの形も違ってきます。お店によっては三相200Vの電源を取るため工事が必要となるので要注意です。
因みに単相100V型業務用冷蔵庫は中型から小型タイプのものに多く、三相200Vは単相100Vより節電効果が高いという特徴があります。工事が必要でも長期的な節電を重視するなら三相200Vがおすすめといえます。
効果的な節電方法は?
業務用冷蔵庫は年中無休で動き続け電気を消費します。そのため業務用冷蔵庫の節電対策は経営にとっても重要事項です。そこで業務用冷蔵庫の効果的な節電方法について検討してみましょう。
メーカーや機種の比較検討を必ず行う
業務用に限らず冷蔵庫はメーカーや機種によって消費電力量に違いがあります。たとえ少しの違いであっても長年使用していると電気代は大きく違ってきます。
業務用冷蔵庫を購入するときは必ずさまざまなメーカーや機種の比較検討を行いましょう。
新電力会社への切り替えも有効
今契約している電力会社から新電力会社へと契約を切り替えるのも節電対策として有効です。現在、電力小売りは完全自由化されており、多種多様な業界が電力の小売りをしています。無理に売り上げアップを図るよりも契約している電力会社を切り替えることにより、利益が向上することも決して珍しいことではありません。
複数の電力会社から見積りを依頼してみてはいかがでしょうか。
節電対策は新電力会社に
業務用冷蔵庫は飲食店経営には欠かせない設備の一つです。そのためにも店舗に適した冷蔵庫を選びたいものです。業務用冷蔵庫は電気使用量も多くなるので導入するときはさまざまなメーカーから慎重に選ぶのはもちろん、新電力会社から提案をとり比較検討することも忘れないでください。
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