今や生活にかかせないコンビニ。多くのコンビニが24時間営業しているため、私たちにはとてもありがたい存在です。しかし24時間営業がゆえに電気は常にフル稼働。節電を心がけても、食品を並べているため冷蔵庫や空調の電源を切ることはできません。では、1日中電気を使うコンビニの電気代は、いくらかかっているのでしょうか?冷蔵庫や空調にかかる電気代を中心にご案内していきます。
コンビニ経営にかかる電気代と節電方法
東京都環境局によると、下記の条件で電気代を試算した場合、都内のコンビニの平均的な1店舗の電気代は年間約334万円となっています。
<仮定試算>
・低圧電力契約
・年間電気使用量164,000kwh
・契約電力30kW
・基本料金32,130円/月
・従量料金単価18円
電気使用量のうち約60%が冷蔵冷凍設備と空調設備になり、中でも冷蔵冷凍設備にかかる電気使用量は、全体の約40%になります。
冷蔵冷凍設備と空調設備以外に使う電気は、照明設備やフライヤーなどの過熱保温設備になり、それぞれ約17%程度です。コンビニの電気代を削減するには、冷蔵庫の電気使用量を抑えることがカギとなることが分かります。
冷蔵庫にかかる電気代を抑える方法
お客様の少ない夜間は、照明を少し落としたり、フライヤーをセーブモードにしておくことで節電することができますが、冷蔵庫は電源を切ったり、設定を「弱」にし続けることが難しいです。ではどのように節電すればよいのでしょうか?
- 冷気の通りや通気口を防がない
冷気の通り道に商品やPOPが置いてあると、冷気の流れの邪魔になります。また、吸排気口を商品などで塞いでしまうと余計な電気を消費するので気を付けましょう。冷気の流れや吸排気を意識することで、年間約2.3万円の削減になります。 - フィルターを清掃する
冷蔵庫のフィルターを週に1回定期的に清掃しましょう。エアコンの室内機フィルターの清掃と併せて年間約2.3万円の削減につながります。 - ドアの開閉に注意
冷蔵庫はドアを開けると暖かい空気が中に入り、電気の消費が増えます。ドアの開閉回数を極力減らし、開けたらすぐに閉めるよう心がけましょう。また、設置方法にも注意が必要です。壁や棚などから間隔を空けて設置し、上に物を置かず、ドアや側面にマグネットで書類をたくさん貼らないようにしましょう。 - 省エネ率の高い冷蔵庫を選ぶ
すでに冷蔵庫を設置している店舗は難しいかもしれませんが、これから開業する方や、改装を検討している方、冷蔵庫が古くて消費電力がとても大きい場合は、省エネ率の高い冷蔵庫を選んでください。最新の冷蔵庫は10年前の冷蔵庫と比べて約半分程度消費電力を削減できます。大きな買い物となりますが、長い目でみると支出を抑えられるでしょう。
業務用冷蔵庫を選ぶポイント
先に述べたように、コンビニの電気使用量の大半は冷蔵冷凍設備です。よって、冷蔵庫にかかる使用量を抑えることができれば、コンビニの店舗全体のコスト削減につながります。
普段の節電に対する意識ももちろん大切ですが、どの冷蔵庫を選ぶのかも重要になるため、選ぶポイントをお伝えします。
- サイズや形
販売商品や商品数、配置場所に適したサイズや形のものを選びましょう。その際、吸排気口がどこにあるのかかも確認してください。ぴったりの物がなければ、オーダーメイドも可能です。お客様も従業員も使いやすい物を選んでください。 - 消費電力を確認
コンビニの商品は多種多様なため、商品に合った冷蔵庫を数種類用意しなくてはいけません。中でもオープンショーケースは消費電力が高いため、設置個数やサイズを検討しましょう。また、同じサイズの冷蔵庫でもメーカーによって消費電力が違う可能性があります。購入前にメーカーのカタログやサイトなどでよく確認してください。 - レンタル
冷蔵庫を購入せずに、レンタルすることも可能です。期間終了後には買い取ることも可能ですし、最新でより省エネ率の高い冷蔵庫に切り替えることもできます。
冷蔵庫の買い替えや切り替えは、壊れてしまってからでは遅いです。寿命が来る前から検討しておきましょう。
さらに電気代を抑えるには新電力への切り替えも
冷蔵庫以外にも節電できるポイントはあります。冷蔵庫と同様に、エアコンも適したサイズで正しく設置し、省エネタイプの物を選んでください。フィルター清掃や、温度調節にも気をつけましょう。
他には、照明をLEDに切り替えることも効果的です。電気使用量を減らすことは、お店にも有益ですが、地球環境問題への取り組みにもなります。
使用量を抑えられたら、電気代削減のために、新電力会社へ切り替えるのも1つの手です。面倒な作業もいらず、インターネットで簡単に切り替えられます。
新電力会社が用意しているプランの中には、月々の基本料金がかからず、電気使用量が増えるほど料金単価が安くなるプランもあります。使えば使うほど料金単価がお得になりますので、電気使用料が多いコンビニ経営には最適です。
コンビニは24時間営業のため、どうしても節電が難しい部分もありますが、従業員の普段の心がけ次第で電気使用量を減らし、電気代の削減につながります。小さな積み重ねが大きなコスト削減につながることを意識しておきましょう。