自分と同年代の方がどれくらいの貯蓄を持っているかは、誰しも気になるポイントではないでしょうか。40代になると、子供の進学費用など大きな金額が必要なイベントも出てきます。本記事では、40代の平均貯蓄額や貯蓄方法、40代で想定される必要な費用などをご紹介します。
40代の平均貯蓄額とは
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査 単身世帯調査 」(令和2年)によると、40代の預貯金額は以下のようになっています。
【単身世帯】
・預貯金の平均額 263万円
・保有金融資産の平均額 666万円
・中央値 40万円
【2人以上世帯】
・預貯金の平均額 473万円
・保有金融資産の平均額 1,012万円
・中央値 520万円
単身世帯と2人以上世帯では、特に中央値に差が出ました。中央値とは、データを小さい(大きい)順に並べた際に真ん中に位置する値です。平均値は極端に大きな(小さな)数値があるとイメージする真ん中からずれてしまいます。
そのため、多くの金融資産を持っている人の影響を受けにくい中央値の方が参考になりやすいと考えられています。
収入のうちどれだけを貯金に回しているのか
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年)」によると、単身世帯で平均13%、2人以上世帯で約11%となっています。どちらも、年間手取り収入の約1割を貯金に回している計算になります。
40代で必要になる費用
40代は最も貯蓄の必要性がある世代といわれています。その理由は主に「教育費」と「老後資金」です。下記で詳しく解説します。
教育費
40代は教育費がピークを迎える人が多いとされています。これは、40代は子供が高校や大学に進学するタイミングだからです。40代で教育費のピークを迎え、さらに住宅ローンの返済も必要なため、貯蓄を切り崩す家庭も少なくありません。
もし教育費がピークを迎えるタイミングで貯蓄が足りないと、教育ローンや奨学金の借入が必要です。教育ローンは住宅ローンなどと比較すると金利が高いため、負担が重くなる可能性があります。こうした事態を防ぐためには、教育費がピークになる前に計画的に貯蓄することが重要です。
老後資金
40代は老後資金の積み立てを始めるタイミングです。できるだけ早く積み立てを始められれば、毎月の積立額を少なくできます。
たとえば、60歳までに1,000万円積み立てたい場合、40歳から始めれば毎月41,700円となります。50歳から始めた場合はこの倍になるため、できるだけ早めに老後資金をため始めることが大切です。
効率的に貯蓄する方法
ここでは効率的に貯蓄をする方法についてご紹介します。
先取り貯蓄を行う
効率的な貯蓄方法としておすすめなのが、先取り貯蓄です。これはあらかじめ、収入から貯金分の金額を引いて貯蓄用の口座に入れ、残ったお金で生活する方法です。つまり「収入-貯蓄=支出」となり、毎月自動的に貯蓄ができる仕組みを作れます。
たとえば、手取り30万円で2割を貯蓄しようと思った場合、先に6万円を貯蓄口座に入れます。そして残り24万円で生活します。この方法であれば、つい使い過ぎてしまって貯蓄用のお金が残らないという事態を防げます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用する
普通の貯蓄だとすぐに切り崩してしまいそうと不安な方は、先取り貯蓄分をiDeCoなどに入れるのがおすすめです。iDeCoとは、私的年金制度のことで、任意で加入申し込みを行い、積み上げた資産は60歳以降に年金または一時期として受け取ることが可能です。iDeCoは定期預金、投資信託、保険商品の中から、法律で決められた上限範囲内で、毎月自動で積み立てを行います。
積み立てた金額はすべて所得控除の対象となり、運用益は非課税となります。また受け取り時に年金として受け取る場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除が適用されるため、所得税を軽減できるのが特徴です。
ただし、積み立てたお金は原則として60歳まで引き出すことができません。またiDeCo専用口座は作成と維持に手数料が必要なことも知っておきましょう。
固定費を削減したいなら新電力会社への切り替えがお得
固定費を削減したいなら、新電力会社への切り替えを考えてみてはいかがでしょうか。2016年4月1日以降からの電力全面自由化によって、一般家庭を含めた消費者はさまざまな電力会社やプランから選べるようになりました。ライフスタイルに合った料金プランを選べば、従来よりも電気代が安くなる可能性があります。
たとえば、ガスやインターネット、携帯電話など、他のサービスとのセットにすることで割引になるセット割引や、使用する時間帯によって金額が変わるプランなどがあります。自分に合ったプランを選べば、節約につながる可能性が高いでしょう。
まとめ
40代の貯蓄額は30代よりも多くなっていますが、中央値は減っています。これは子供に対する教育費がピークを迎え、住宅ローンの支払いと重なり、貯蓄が減っている人が多いことが考えられます。貯蓄を増やしたいのであれば、国の制度であるiDeCoを利用したり、電気代などの固定費を見直してみたりするのがおすすめです。