これから飲食店を開業したいとお考えの方も、すでに経営している方も、コストを意識することはとても重要です。開業にもお金がかかりますが、経営を維持していくにも様々なコストがかかります。お客様へのサービスを下げずにコストをうまく削減するには、いったいどの部分を見直すとよいのでしょうか？すぐに試せる効果的なコスト削減方法をご案内いたします。
飲食店経営にかかる経費の種類
飲食店を経営するには様々な経費がかかります。まずはどのような経費があるのかを見ていきましょう。
飲食店経営にかかる主な経費
- 材料費：提供する料理の材料費
- 水道光熱費：電気、ガス、水道
- 家賃：店舗の家賃、管理費など
- 通信費：インターネット、電話など
- 広告費：ホームページ・チラシなど
- 車両費：駐車場代、ガソリン代、有料道路通行料、車検代、自動車税など
- 保険：火災保険、賠償責任保険、就業不能保険など
- 税金：所得税、住民税、消費税、個人事業税など
- 人件費：給与、福利厚生など
- その他：修繕費、衛生管理費、備品、消耗品など
これらの経費は、売上高の増減に比例して変動する費用（＝変動費）と、売上高に関わらずかかってくる費用（＝固定費）に分けることができます。各経費にどれくらいかかるのかは、店舗の大きさや従業員数、提供する料理やサービスなどにより異なりますが、固定費はたとえ売上高が0円でもかかってくる費用なので、毎月（または毎年）どの程度なのかを把握し、普段から意識するようにしましょう。
コスト削減の見直しポイント
売上によって変わる変動費を見直すのは計画が立てにくく難しいです。しかし、ある程度目安がわかっている固定費なら比較的簡単です。ご自身のお店で毎月かかる固定費の種類や金額をまとめてみて、見直しできそうな経費を探しましょう。
削減できそうな固定費
- 保険
今加入している保険の補償が過剰でなければ、補償を下げてまで保険料を抑える必要はありませんが、開業当時に加入したままの補償では手厚すぎるかもしれません。また、休業や廃業に備えた保険は、公的な制度と併用すれば、貯蓄である程度賄える可能性もあります。保険の更新時には、補償の内容や金額が適切か、補償が重複していないかも確認しましょう。 - 通信費
インターネットや電話にかかる費用は、各社様々なプランがあります。お得なプランもでていますので、プランや契約会社を切り替えてみるといいかもしれません。 - 光熱費
飲食店では、電気やガスを大量に使うため、光熱費を抑えられると大きなコスト削減につながります。2016年より電力、2017年よりガスが自由化され、それまではお住まいの地域の電力会社・ガス会社のみでの契約でしたが、自由化後は好きな会社を選んで契約することができるようになりました。また、電気だけ、ガスだけではなく、電気やガス、または電気と通信などのセット割引も見逃せません。
すぐに試せるコスト削減は光熱費！
飲食店の固定費の中で、最も手間なくすぐに見直せるものは光熱費です。特に電気は厨房の冷蔵庫や店の照明、空調など使用量が多いため、見直すことでより大きな効果が期待できます。
水道代はこまめに節水を心がけるだけでなく、食洗器の導入などでも節約することが可能です。
電気代を見直すには、照明をLEDに変更したり、省エネタイプの電化製品に変えるなど、まず節電を意識し、電気使用量を減らすことから始めます。同時に新電力会社への切り替えを検討し、電気料金そのものも見直しましょう。
お得なプランに切り替えられたら、電気代削減に繋がります。切り替え手続きはとても簡単で、煩わしい手続きは一切不要なので、検討するべきコスト削減方法です。
電力会社の切り替え方法
- インターネットの比較サイトを利用
店舗の所在地や、現在の電気代などを入力していくと、最適な電力会社を簡単に探すことができます。プランもたくさん紹介されているのでぜひ比べてみてください。 - シミュレーション
気になる電力会社がいくつか見つかれば、各会社のホームページでシミュレーションしてみましょう。より正確な金額を知るために、検針票を確認しながら毎月の電気使用量を正しく入力することが大切です。
料金プランも各社様々です。その中でも、電気使用量が増えるほど電気料金単価が安くなるプランを用意している新電力会社もあります。これまでの電気代は基本料金＋従量料金（使った分だけ払う料金）でしたが、基本料金が不要で使った分だけでOKというものです。月々の電気使用量が多い飲食店にとっては特にお得になるのではないでしょうか？ - 申込手続きへ
難しい手続きは不要です。切り替え先の新電力会社へはWEBで簡単に申し込みができ、今契約している電力会社の解約手続きも代行してくれるところがほとんどです。切り替え費用もかからず、お申し込みから数週間程度で切り替えが完了します。
コストを削減できたら、お客様へ還元
光熱費をはじめ、保険代や通信費など、様々な固定費を削減できれば、お客様へのサービス向上や従業員への給与などに還元できます。固定費の見直しは、1度見直すとその後は頻繁にする必要がないため、結果的に楽にコストを削減できます。削減できたコストを集客やサービスに充てて、店舗繁栄につなげていきましょう。
